豪州規制当局が暗号資産の犯罪利用を抑制へ
豪州の金融犯罪監視機関が、同国のマネーロンダリング防止法を遵守していない暗号資産(仮想通貨)ATMプロバイダーを特定し、これに対応するために内部で暗号資産タスクフォースを設置したと12月6日発表した。
オーストラリア取引報告分析センター(AUSTRAC)は、暗号資産がマネーロンダリングや詐欺、マネーミュール(犯罪と知らせずに資金洗浄に加担させる行為)活動にますます悪用されていることを示す調査結果を発表した。
AUSTRACのタスクフォースは、暗号資産ATMサービスを提供するデジタル通貨交換業者が、詐欺や犯罪に関連する資金の移動に利用されるリスクを最小限に抑えるための強固な対策を講じていることを保証すると述べた。
暗号資産ATMは、ユーザーがビットコインやドージコインなどの暗号資産を現金で売買できる機器である。
現在、豪州には1,200台の暗号資産ATMが稼働しており、約400社のデジタル通貨交換業者がAUSTRACに登録されている。
暗号資産市場の合計価値は、今年に入りほぼ倍増した。ビットコインも、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が米国大統領に選出されたことにより、同氏の政権が暗号資産に友好的な規制環境をもたらすとの期待が高まり、10万ドルを超える過去最高値を記録した。
AUSTRACのCEOであるブレンダン・トーマス(Brendan Thomas)氏は、同機関が「多くの」豪州人が暗号資産を利用した詐欺の被害に遭っているのを確認していると述べた。
「暗号資産や暗号資産ATMは、広く利用でき、ほぼ即時かつ取り消し不能な送金が可能なため、犯罪者にとって魅力的な資金洗浄手段である」と同氏は述べ、マネーロンダリング防止法に違反した暗号資産ATMには金融的な罰則の対象になると付け加えた。
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Australian regulator moves to curtail criminal use of cryptocurrency
(Reporting by Himanshi Akhand in Bengaluru; Editing by Shreya Biswas and Krishna Chandra Eluri)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters