トランプ次期大統領、AI・暗号資産責任者にペイパル元幹部デービッド・サックス指名

トランプがAI・暗号資産責任者にデービッド・サックス指名

トランプ次期米大統領が、ホワイトハウスの人工知能(AI)・暗号資産(仮想通貨)責任者(Czar)に米決済サービス大手ペイパル(Paypal)の元最高執行責任者(COO)、デービッド・サックス(David Sacks)氏を指名すると12月5日発表した。

これには、デジタル通貨政策の見直しを進める狙いがある。

トランプ氏は「(サックス氏は)暗号資産業界が求めている明確性を確保し、業界が米国で繁栄できるよう、法的枠組みの問題に取り組むことになる」と述べた。「Czar(王)」という肩書が正式なものかどうかには言及しなかった。

サックス氏は南アフリカ生まれの52歳。トランプ氏を支持する起業家のイーロン・マスク(Elon Musk)氏やピーター・ティール(Peter Thiel)氏らペイパル出身者が集まる「ペイパルマフィア」の一員とみられている。

同氏は早くから暗号資産を熱心に支持しており、2017年のCNBCとのインタビューでは、ビットコインの登場でインターネットに革命が起きるとし「私たちは今、新しいタイプのウェブの誕生を目撃しているような気がする。これを分散型ウェブ、あるいは通貨のインターネットと呼ぶ人もいる」と語っていた。

トランプ次期政権では、サックス氏のほか、証券取引委員会(SEC)や商品先物取引委員会(CFTC)の委員長らが、新たに設立された暗号資産諮問委員会と協力して米国のデジタル通貨政策を見直すとみられている。過剰な規制はイノベーションを阻害するとして、人工知能(AI)や暗号資産の規制を最小限に抑えたいという意向が総じて強い。

トランプ氏は4日、SEC次期委員長に暗号資産推進派のポール・アトキンス(Paul Atkins)氏を指名している。

暗号資産運用会社アストロノート・キャピタル(Astronaut Capital)のマシュー・ディブ(Matthew Dibb)最高投資責任者(CIO)は今回の人事について、極めて強気な材料だと指摘。 「(サックス氏は)ソラナなどのコインを保有していたこともある。暗号資産に関して、技術的にも商業的にも、多くの人が考えているよりはるかに有能とみられる」と述べた。

トランプ氏はサックス氏がホワイトハウスの科学技術諮問委員会を率いることも明らかにした。

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
トランプ氏、AI・暗号資産責任者にサックス氏 ペイパル元幹部
画像:Reuters

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

合わせて読みたい記事

億万長者投資家レイダリオ、ビットコインを「ハードマネー」と評価。投資する意向示す

世界最大のヘッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエイツ(Bridgewater Associates)」の創設者で億万長者投資家のレイ・ダリオ(Ray Dalio)氏は、ほとんどの主要経済国が負債の増加という問題に直面していることから、金やビットコイン(BTC)のような「ハードマネー」に投資する意向を示している

Movement Network、メインネットベータ版と独自トークン「MOVE」をローンチ

独自仮想マシン「MoveVM」で構築されたイーサリアム(Ethereum)レイヤー2ネットワークであるムーブメントネットワーク(Movement Network)のメインネットベータ版が12月5日にリリースされ、これに伴い、同ネットワークのネイティブトークン『MOVE』のTGE(トークン生成イベント)が9日に実施された

バイナンスが資産運用サービス「オンチェーンイールド」提供開始、バビロンから対応

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)提供の資産運用サービス「バイナンス・アーン(Binance Earn)」にて、新機能「オンチェーン・イールド(On-chain Yields)」が12月9日にローンチされた。なおバイナンスは同機能の公開について12月5日に発表している