米18州らがSECとゲンスラー委員長、複数名のSEC委員を提訴。暗号資産規制の越権行為で

米18州らがSECを提訴

米国の18の州が、米証券取引委員会(SEC)及びSEC委員長のゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)氏、その他4名の委員を暗号資産(仮想通貨)規制の越権行為で提訴した。

ケンタッキー州東部地区連邦地方裁判所に11月14日に提出された訴状によれば、原告としてケンタッキー州、ネブラスカ州、テネシー州、ウェストバージニア州、アイオワ州、テキサス州、ミシシッピ州、モンタナ州、アーカンソー州、オハイオ州、カンザス州、ミズーリ州、インディアナ州、ユタ州、ルイジアナ州、サウスカロライナ州、オクラホマ州、フロリダ州の各州検事総長が名を連ね、また、暗号資産擁護団体「ディファイエデュケーションファンド(Defi Education Fund)」も原告として訴訟に参加している。

また被告として名指しされたのは、SEC及びゲンスラー委員長、そしてSECメンバーのキャロライン・クレンショー(Caroline Crenshaw)氏、ハイメ・リザラガ(Jaime Lizarraga)氏、ヘスター・ピアース(Hester Peirce)氏、マーク・ウエダ(Mark Uyeda)氏だ。

同訴状では、SECによる暗号資産企業に対する取締りが急速に拡大する経済分野の成長を阻害し、各州が自らの経済を監督する権利を侵害していると主張された。

各州は、裁判所に「デジタル資産取引は投資契約ではない」と宣言するよう求めるとともに、SECが「そのような二次取引を証券取引所、ディーラー、ブローカー、または清算機関として登録することを促進するデジタル資産プラットフォームの失敗を前提とした」将来の告発を行うことを阻止する命令も求めている。

また各州は独自の暗号資産規制領域を確立し、業界の成長を促進しているが、「SECは、この権限の配分を尊重していない」と、主張している。

ゲンスラー委員長は、ほとんどの暗号資産が証券だと主張。暗号資産企業に登録の義務とSECの規則に従うよう述べている。

またその規制の不透明さから業界ではSECに対する不信感も散見される。

さらにSECは大手暗号資産取引コインベース(Coinbase)やクラーケン(Kraken)等を相手取った提訴や、大手DEXのユニスワップ(Uniswap)にウェルズ通知を送付している。

なおウェルズ通知とは、SECが企業・個人に対して、法的措置を講じる予定であることを通達する公式文書だ。

また次期米大統領ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は選挙戦の公約の中で、大統領就任1日目にゲンスラー委員長を解雇し、米国の未来を築いていく信条のある新たな人物を委員長に任命すると宣言している。

画像:Reuters

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あたらしい経済 編集部

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