イーサリアム研究者、コンセンサス層の再設計で「Beam Chain」提案

イーサリアム研究者が「Beam Chain」を提案

イーサリアム財団(Ethereum Foundation)の研究者であるジャスティン・ドレイク(Justin Drake)氏が、イーサリアムのコンセンサス層を再設計し現在のビーコンチェーン(Beacon Chain)から新しい「ビームチェーン(Beam Chain)」への移行を提案した。このことはタイのバンコクで開催中のDevcon 7にて発表された。

同氏によると「ビームチェーン」は、ブロックタイムの高速化やバリデーターのステーキング用件の削減、SNARKの導入、量子耐性の強化、技術的負債の解決などを含んだコンセンサス層(CL:Consensus Layer)の再構成を目標にしているという。中でもゼロ知識証明(zkp:zero knowledge proof)であるSNARKを導入することに焦点が当たっている。

なお「ビームチェーン」は特定のアップデートを指しているわけではなく、イーサリアムのコンセンサス層を再設計する一連のアップグレードをまとめたものだ。

もし「ビームチェーン」が実装されれば、イーサリアムがプルーフオブステーク(PoS:Proof of Stales)システムに移行したイーサリアム2.0アップグレードに並ぶ大型アップグレードとなる予定であり、セキュリティおよびパフォーマンスが大きく向上すると予想されている。

そのためSNSなどではこれをイーサリアム3.0と呼ぶという流行があるが、同氏はこれに対し「ビームチェーン」はコンセンサス層に対する更新でありイーサリアム全体へのアップグレードではないため適切な呼び方でないという意見を表明している。

2025年には「ビームチェーン」への移行に向け仕様が決定され、2026年までにはコードの作成が開始されテストされたのちにリリースされる予定とのことだ。

イーサリアムの共同創業者であるヴィタリック・ブテリン氏は最近、自身のブログにてイーサリアムで今後実施される予定のアップグレードおよびマイルストーンについての解説を行なっていた。今回提案された「ビームチェーン」を実装するための目標にはブテリン氏が開発した内容も含まれている。

画像:PIXTA

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

合わせて読みたい記事

【4/4話題】イーサリアム「Pectra」メインネット実装は5/7に、米下院がステーブルコイン規制「STABLE法」可決など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

米SEC、フィデリティのステーキング対応「ソラナ(SOL)現物ETF」の上場申請を受理

米証券取引委員会(SEC)が、米証券取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)によって提出された、暗号資産(仮想通貨)ソラナ(SOL)の現物価格に連動するETF(上場投資信託)「フィデリティ・ソラナ・ファンド(Fidelity Solana Fund)」の上場および取引に関する提案書を受理した。SECが4月3日に公表している

ブラックロック、英国で暗号資産事業者の登録完了

米資産運用大手ブラックロック(BlackRock)の英国部門であるブラックロックインターナショナル(BlackRock International)が、英国の規制当局である金融行為監督機構(Financial Conduct Authority:FCA)から、暗号資産(仮想通貨)事業者としての登録承認を4月1日付で受けた。登録情報はFCAの公式サイトで確認できる