ブロックチェーン技術を活用した電子書籍コンテンツ販売に関する取り組みを幻冬舎とBlockBaseが開始
ブロックチェーン技術の導入コンサルティングを行うBlockBase株式会社は、株式会社幻冬舎が運営するブロックチェーン専門メディア「あたらしい経済」編集部と共に、基礎技術としてブロックチェーン技術を活用した電子書籍コンテンツの販売プロジェクトを開始 。
このプロジェクトでは、ブロックチェーン技術を活用し、読者が買った後にどんどんと加筆されていく「本(電子書籍)」を販売していく。そしてこのプロジェクトの第一弾として、「あたらしい経済」編集長の設楽悠介が執筆し、2020年2月28日に株式会社プレジデント社から発売された書籍『「畳み人」という選択 「本当にやりたいこと」ができるようになる働き方の教科書』の特別版である『加筆されていく「畳み人」という選択』を扱う。
プロジェクトの背景として、出版業界には紙書籍が二次流通市場で転売された際に、その利益が著者や出版社に還元されないという課題などがあり、その課題をブロックチェーン技術を活用して解決できないかという志が存在している ・このプロジェクトのポイントは、ユーザが一定の期間、著者により加筆・更新され続ける電子書籍(Ethereumで発行されたトークン)が購入でき、購入した電子書籍を他者に譲渡、転売可能であることだ。なお、Ethereumで発行されたトークンは、購読権という建て付けでは無く、電子書籍そのものとして発行している。
今後の展開として、BlockBaseが開発しているプロダクトを書籍以外のコンテンツ、画像などの他のフォーマットでも管理可能なシステムへ昇華させ、デジタルコンテンツのNFT(Non Fungible Token)ではない建て付けでのブロックチェーンによる管理・配信に関する、法令面の整理も引き続き行なっていくとのことだ。
編集部のコメント
コンテンツ×ブロックチェーンでは、電通を中心に出版社などのコンテンツプロバイダーが取り組んでいる「n次流通プロジェクト」や株式会社Aniqueによる日本のアニメやマンガ、ゲーム等の素晴らしいアートワークを特典化し、作品を愛するファンに提供するサービスなどが存在しています。Aniqueはこれまで、「進撃の巨人」、「serial experiments lain」、「STEINS;GATE」、「魔法使いの嫁」のアートワークをNFT化して、ファンへ流通させてきました。
BlockBaseとあたらしい経済で取り組むプロジェクトが、他のコンテンツ×ブロックチェーンプロジェクトと異なるのは、著者が直接関わっている点です。コンテンツ領域では、著者が著作権などコンテンツを流通させる上で、行使力の高い権利を持っています。だからこそ、著者が直接的に関わり、権利を移転させ、価値を提供できるプロジェクトは、非常に流動性が高く、アップデータブルで面白いのではないかと、筆者の竹田は考えます。このプロジェクトは汎用性が高く、第一弾を皮切りに、様々なコンテンツプロバイダーと提携して、日本のコンテンツ市場を盛り上げられたらと、強く思っています。