トークン化ファンドのオフチェーン即時現金決済を促進
国際銀行間ネットワークシステムを提供するSWIFT(スウィフト)、大手資産運用会社UBSアセットマネジメント(UBS Asset Management)、ブロックチェーンデータプロバイダーのチェーンリンク(Chainlink)の3社が、Swiftネットワークを使用したトークン化ファンドの決済に関するパイロット版を完了させたと11月5日発表した。
同取り組みでは、SWIFTのグローバル金融メッセージングネットワークを使用して、トークン化ファンドプロセスを既存の法定通貨決済システムに統合するとのこと。
他のトークン化パイロットとは異なり、今回の取り組みではオンチェーン形式の決済を世界的に採用する必要なく、決済部分の過程が人手によらず、すべて自動的に行われる「ストレート・スルー・プロセッシング」が可能となったという。 なお同取り組みはシンガポール金融管理局(MAS)の官民連携イニシアチブ「プロジェクト・ガーディアン(Project Guardian)」の一環でもあるという。
ちなみに「プロジェクト・ガーディアン」とは、MASが2022年5月より推進するプロジェクト。ホールセールの資金調達市場の効率化と流動性向上を目的とした、トークン化債券・預金の機関投資家間での取引可能性などを検討している。
今回のパイロット版では、UBSアセットマネジメントおよびSBIデジタル・マーケッツとの共同作業を基に、トークン化ファンドの払い戻し・購入手続きシステムが構築されたとのこと。既存のSWIFTインフラストラクチャを使用し、トークン化された投資ファンドの払い戻しや購入手続きがリアルタイムで可能になり、自動化されたコスト効率と透明性の高いプロセスが実現したとのことだ。
投資家の高まる需要に応えるべく、大手金融機関らがトークン化ファンドを立ち上げたりと、トークン化に関する動向は活況だ。
UBSアセットマネジメントはイーサリアムブロックチェーン上に構築されたトークン化マネーマーケットファンド(MMF)「UBS USD Money Market Investment Fund Token:uMINT」を11月1日に立ち上げている。
参考:発表
画像:PIXTA