国内IEO7例目、「NOT A HOTEL COIN(NAC)」の購入申込がGMOコインで開始

NOT A HOTEL COINのIEO開始

NOT A HOTEL DAO(ノットアホテルダオ)社による暗号資産(仮想通貨)「NOT A HOTEL COIN:ノットアホテルコイン(NAC:ナック)」のIEOによる購入申し込みが、国内暗号資産取引所GMOコインにて10月31日開始した。NOT A HOTEL DAO社が同日発表した。

また同日より「NOT A HOTEL DAO(プロジェクト)」の詳細を記載したホワイトペーパー(詳細は下記参照)と新Webサイトが公開されている。

NOT A HOTEL DAO社は、「NAC」発行元および「NOT A HOTEL DAO(プロジェクト)」を運営する法人だ。同プロジェクトは、親会社であるNOT A HOTEL社が開発・販売する不動産物件「NOT A HOTEL」を「みんなで保有して、みんなで利用できる仕組み」の提供を目指している。なお同社は会社法上の株式会社であり、DAO(分散型自律組織)ではない。ただし今後法整備が整い次第、同社の分散型自律組織への移行を検討するとのことだ。

なお国内においてIEOが実施されるのは、「NAC」で7例目。GMOコインとしてはFC琉球の「FCRコイン(FCR)」に続き2例目となる。またNOT A HOTEL DAOは今回のIEOについて「RWAで日本初」と伝えている。

IEO(Initial Exchange Offering)とは暗号資産交換業者を介して行われる資金調達の方法だ。暗号資産交換業者が発行者の事業内容や調達した資金の用途などに対して審査を実施し、新規発行されたトークンの販売を行うモデルのことだ。

IEOについて

GMOコインでの「NAC」申し込み受付は、12月7日9:00までとなっている。そして同日に抽選を実施し、その結果がアナウンスされる予定だ。

12月13日にGMOコインでの「NAC」取り扱いが開始し、同時にNOT A HOTEL DAO社によるサービスが開始されることになっている。

IEOにおける「NAC」販売枚数は200万枚で、1枚あたり1,000円で購入可能だ。また最小申込枚数は1万円相当の10枚で、最大申込枚数は2.5億円相当の25万枚となっている。

注意点として、IEOにて購入した「NAC」については購入数量に関わらず一律で90%がロックアップされるという。ロックアップ期間中は取引所での販売および外部への送付が制限されるとのこと。ただし同期間中でも「NAC」のレンディングおよび「NOT A HOTEL DAO(プロジェクト)」を通じた支払いは制限なく使用可能であるという。

またロックアップされた「NAC」は、IEO実施の翌々月から毎月15%ずつ、6か月間かけて段階的に解放されるとのことだ。

ちなみに「NAC」の初期総発行枚数は250万枚となっており、ユーザーに80%の200万枚(IEO販売数)、NOT A HOTEL DAO社に18%の45万枚、システム開発・マーケティングに2%の5万枚が割り当てられる。

なお「NAC」はイーサリアム(Ethereum)上で発行されるERC-20規格のトークンとなっている。

NOT A HOTEL DAO社は今回のIEOを記念して、「NOT A HOTEL AOSHIMA CHILL」の1泊2日宿泊権が抽選で1名に当選するキャンペーンをNOT A HOTEL DAOのXアカウントにて実施中だ。

また10月31日19:30より「NAC」のIEOについてのオンライン説明会を実施するとのこと。参加者には同キャンペーンの抽選確率が高まる優先リンクが提供されるとのこと。オンライン説明会の他、全国でオフライン説明会の開催も予定しているとのことだ。

「NOT A HOTEL DAO(プロジェクト)」について

ホワイトペーパーによると「NOT A HOTEL DAO(プロジェクト)」では、「NOT A HOTEL」の利用権の保有をより身近に、より多くの人に提供することを目指している。

「NOT A HOTEL」を利用する仕組みとして、NOT A HOTEL DAO社が発行した「NAC」をユーザーが取引所を通じてを購入し、NOT A HOTEL DAO社はユーザーより集めた資金で「NOT A HOTEL」の所有権を取得する予定となっている。そしてユーザーは、自身が保有する「NAC」をNOT A HOTEL DAO社へレンディングまたは消費することで、同社が所有する「NOT A HOTEL」を1泊から利用が可能となる。

「NAC」のその他のユーティリティとして「NOT A HOTEL」の利用権だけでなく、同施設利用時の食事やアクティビティへの支払や、NOT A HOTEL DAO社が保有した車やヘリなどの利用への対応も目指しているとのこと。

なお「NAC」は、購入以外の方法でも、土地提供や建築プランの作成等の対価として受取が可能とのこと。建築した「NOT A HOTEL」の周辺地域住民への還元などの形で「NOT A HOTEL DAO(プロジェクト)」への参加・還元される仕組みを構築するとのことだ。

「NAC」は無限発行型のトークンとのこと。新規発行は、過去のIEOで調達した資金が現物資産に置き換わる見通しができたタイミングで再度IEOを実施する予定だという。新規発行が行われるとトークンの総供給量が増加し、一時的にトークン価値が希薄化する可能性があるが、これによりプロジェクト拡大と長期的なトークン価値向上が見込めると説明されている。

また「NAC」の価値の維持・向上のために、同トークンには「BuyBack&Burn」の仕組みが設けられている。

BuyBuck(買戻し)では、NOT A HOTEL DAO社がホテル運営などから得た収益にて、市場から「NAC」を買い戻す。これにより市場に出回る「NAC」の量を減少させるとのこと。

またBurn(焼却)では、上記にて買い戻した「NAC」の一部または全部を焼却することで総供給量を減少させるという。焼却された「NAC」は永久に使えなくなるため、市場に出回るトークン数が減少するとのことだ。

なお「NAC」はガバナンストークンではなく、NOT A HOTEL DAO社運営に直接的な関与を提供するものではないとのこと。また「NAC」の取引価格は、不動産の価値と直接的に連動するものではないという。そして「NAC」は有価証券やセキュリティトークンには該当せず、投資や収益を保証するものではなく、金融商品としての性質を持たないとのことだ。

ちなみにNOT A HOTEL DAO社の収益構造は、「NOT A HOTEL」のオペレーション会社への貸出・売却・開発・販売、そしてトークンホルダーからレンディングで預かった「NAC」の市場売買による運用益とのことだ。

参考:NOT A HOTEL DAOリリースwebサイト
画像:iStocks/PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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