TISが住友生命の給付金自動請求の実証実験にブロックチェーン技術を支援
TISインテックグループのTIS株式会社が、住友生命保険相互会社の行った給付金自動請求実現へ向けた実証実験に対し、ブロックチェーン技術を支援したことを2月25日プレスリリースにて発表。
同実証実験では、複数の医療機関・生命保険会社間で、ブロックチェーン上に登録する給付金請求の事前同意書や医療情報等を共有する仕組みについての検証が、2月12日~3月下旬の期間にて行われている。
同実証実験には、住友生命保険相互会社、医療法人社団 KNI、株式会社Kitahara Medical Strategies International、TIS 株式会社が参加して実施されている。
TISは同実証実験において、請求者の事前同意に基づいた医療機関・保険会社間でのセンシティブ情報のやりとりへのブロックチェーン技術の活用と、医療機関、保険会社との対応業務の実現性の検証を支援。これにより生命保険請求手続きを簡素化し利便性を向上することを目指したとのこと。
なお同実証実験では、 R3 社のエンタープライズブロックチェーン「Corda(コルダ)」が採用されているとのこと。
編集部のコメント
現在の給付金請求は、請求者(患者)が病院や保険会社に対し請求手続きなどを個別に行う必要があり、その手続きにはコストがかかっています。また医療情報はセンシティブな問題があり、扱いは難しいものになっています。ブロックチェーン技術が活用されることで、情報が共有され手続きにかかるコスト削減に役立ちます。
また今回採用された「Corda」は取引情報の共有先を効果的に制御するネットワーク設計を特徴としています。共有先の制御は、閲覧が許可された参加者間でのみ取引情報が共有されるように、ネットワーク上で参加者が通信することで実現されます。Corda では、事前に決められた特定の参加者のみが特定の通信に参加し、ネットワーク内のその他の参加者はその通信が行われていることを認識しない為、堅牢性を持ちながら、限定的な情報開示・共有化ができます。そのためセンシティブ情報を扱うことが可能になっています。
コメント:大津賀 新也(あたらしい経済)
(images:artsstock,Danler–)