警視庁ら合同捜査本部、プライバシーコイン「モネロ(XMR)」追跡で詐欺グループ首謀者を逮捕=報道

新設の警視庁サイバー特捜部が捜査で18人を摘発

警察庁サイバー特別捜査部と埼玉県警など9府県警の合同捜査本部が、暗号資産(仮想通貨)でマネーロンダリングしようとした詐欺首謀者を逮捕した。日本経済新聞が10月21日報じた。

報道によれば、電子計算機使用詐欺容疑で逮捕された小林雄太容疑者は、他人名義のクレジットカードを使い不正に利益を得たグループの首謀者と見られているという。なお被害額は1億円超に上る見込みだ。

グループでは秘匿性の高い暗号資産「モネロ(Monero:XMR)」を使用し、だまし取った資金のマネーロンダリングを図ったが、警視庁サイバー特捜部によって「XMR」の流れが追跡され、小林容疑者が特定されたという。なお警察庁によると、「XMR」を分析し容疑者を特定したのは日本初だという。

合同捜査本部は本件においてこれまでに18人を摘発しており、グループは犯行に加わるメンバーをSNS上の「闇バイト」で集め、秘匿性の高い通信アプリなどでやりとりしていたとのこと。

今年4月に発足した警視庁サイバー特捜部が8月よりチームに加わり、捜査していたという。

「XMR」は、ゼロ知識証明などの技術を活用することで送金の追跡を難しくする仕組みが組み込まれたトークンとされる「プライバシーコイン」だ。「プライバシーコイン」については一昨年11月EUにて、マネーロンダリングへの利用を懸念して「プライバシーコインを禁止する可能性のあるとされる新たな規制」の導入が検討されていた。

これをうけ米大手暗号資産取引所クラーケン(Kraken)は4月、アイルランドとベルギーにおける「XMR」の上場廃止。大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)も昨年6月以降、ベルギーやフランス、イタリア、スペイン、ポーランドにおいて「XMR」の取引を停止している。

参考:報道
画像:iStock/BrianAJackson

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