RWA需要の高まり受け
コロンビア拠点でモバイルバンキングサービスを提供するリッティオ(Littio)が、RWAの需要の高まりを受け、イーサリアム(Ethereum)からアバランチ(Avalanche)にブロックチェーンネットワークを乗り換えた。アバランチ公式ブログより10月10日発表された。
リッティオはオープントレード(OpenTrade)社と提携し、米ドル預金で利息を得られる商品を提供している。同商品は米国財務省短期証券を裏付けとしている。
オープントレードは、ステーブルコインや米国財務省短期証券などの実物資産(RWA)を活用した利回り商品の開発を手がける企業だ。
発表によれば、リッティオは需要の高まりに対応するため、保有資産をイーサリアム上のオープントレードの金庫からアバランチ上の金庫に移行したという。
チェーンの選択理由としてアバランチの低い取引手数料と一貫性が挙げられている。
アバランチ開発のアバラボ(Ava Labs)の機関投資家および資本市場部門の責任者であるモーガン・クルペツキー(Morgan Krupetsky)氏は、「リッティオとオープン・トレードは、アバランチの技術が、銀行サービスが十分に提供されていない人々に対して、従来のレールを活用した方法では利用できなかったり、利用が困難な魅力的な商品やサービスへのアクセスを可能にすることを実証している」と述べた。
また、オープントレードのCCOであるジェフ・ハンダー(Jeff Handler)氏は、「リッティオは、中南米のフィンテック企業が、USDC/EURCのユニークな機能を活用し、アバランチブロックチェーン上のオープントレードの高品質な資産担保型利回り商品を利用することで、いかにして使いやすく、安全性の高い方法で米ドルおよび米ドル建て利子口座への前例のないアクセスを可能にするかを示すケーススタディだ」と述べている。
大型アップグレード控えるアバランチ
アバランチは9月に大型ネットワークアップグレードイベント「Avalanche 9000」の実施を発表している。
なお「Avalanche 9000」は、今年の10月16日から18日にアルゼンチンのブエノスアイレスで開催予定のアバランチサミットラテンアメリカ(Avalanche Simmit LATAM)で行われるキックオフイベントのタイミングでリリースされるとのことだ。
「Avalanche 9000」には、L1ブロックチェーンの立ち上げを容易にする「エトナ(Etna)」アップグレードや、開発者のインセンティブに関する変更、マルチチェーンサポートの強化などの複数の更新が含まれる。
同アップグレードによりサブネットのバリデーターの仕組みがアバランチのプライマリネット(C・Xチェーン)から切り離され、サブネットは独自のL1ブロックチェーンとして稼働することになるため、現在アバランチのサブネットを構築するために必要な2000AVAXのステーキングが不必要になる。
またこれまでサブネットのバリデーターは、アバランチのプライマリネットーワークのバリデーターを並列して行う必要があった。しかし「エトナ」実装後は、サブネットのバリデーターとしてのみ稼働すれば良くなるため運用コストが下がるという。
これによりサブネット構築のための金銭的な障壁が小さくなり、今後より多くのサブネットが立ち上げられることが想定されている。
なお同アップグレードを機に、現在のサブネットモデルはレイヤー1ブロックチェーンズ:Layer 1 blockchains(L1s)へと概念・名称が変更される予定だ。
さらにネットワークが切り離されるため、ガス代の大幅削減も期待されている。
参考:発表
画像:iStocks/LeoTroyanski
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