年内に一括ライセンス交付も含めて完了目指す
香港証券先物委員会(SFC)が、年内に複数の暗号資産取引所のライセンスを一括承認する意向を示した。SFCのCEOジュリア・レオン(Julia Leung)氏が地元紙「香港01」の取材にて10月7日明かしている。
インタビューにてレオン氏は、暗号資産取引プラットフォームの規制体制の整備、伝統的商品のトークン化の支援などに言及。「少なくとも来年までに、全体的な枠組みが完成する」と述べている。
またSFCの認可済みとみなされる暗号資産取引プラットフォーム申請者のリストには、11のプラットフォームが記載されており、SFCは現地調査の第一段階を完了し、これらの申請者に必要な調整を行うよう求めたとのこと。
さらにレオン氏は、SFCの目標として年内に一括ライセンス交付も含めて完了させることを挙げている。
「要件を満たさない申請者はライセンス付与の対象から除外され、要件を満たす申請者は条件付きでライセンスが付与される」とレオン氏は述べている。
またレオン氏は暗号資産取引プラットフォーム(VATP)について、SFCが香港暗号資産取引所(HKVAX)に対し、3つ目のライセンスを発行したことを明かした。同ライセンスは10月3日に発行されている。なおその他2つのライセンス取得企業はOSLエクスチェンジ(OSL Exchange)とハッシュキーエクスチェンジ(HashKey Exchange)だ。
香港は暗号資産企業に友好的であり、2023年6月に暗号資産取引プラットフォームのライセンス制度を開始し、ライセンス取得済みの取引所は個人投資家向けに取引サービスを提供できるようになった。
またレオン氏は昨年11月2日、ブルームバーグのインタビューにて「SFCは効率性と顧客体験を高める革新的な技術を使った提案を歓迎する」とし、規制上の懸念がクリアされれば、個人投資家が暗号資産の現物(スポット)上場投資信託(ETF)にアクセスすることも視野に入れていると述べている。
トークン化にも意欲
また香港ではトークン化の動きも盛んだ。
香港金融管理局(HKMA)は8月、ホールセール型中央銀行デジタル通貨(wCBDC)を活用する「プロジェクトアンサンブルサンドボックス(Project Ensemble Sandbox)」の立ち上げを発表。
実験ラウンドの第1フェーズでは、伝統的金融資産と現実世界の資産(RWA)のトークン化を対象とし、債券・投資ファンド、流動性管理、グリーン・持続可能金融、貿易・サプライチェーン金融の4つの主要テーマに焦点を当てるとしている。テストされるRWAの例として、グリーンボンド、炭素クレジット、航空機、電気自動車充電ステーション、電子船荷証券などが挙げられていた。