アービトラム財団が「Road to Devcon」発表、アジアでの成長目的の取り組みを「Devcon7」開催に向け

Arbitrum財団がRoad to Devcon発表

アービトラム財団(Arbitrum Foundation)が、イーサリアム(Ethereum)レイヤー2ブロックチェーン「アービトラム(Arbitrum)」のアジアでの成長を目的とした取り組み「ロードトゥーデブコン(Road to Devcon)」を開始する。アービトラムの公式Xがメディア「ディクリプト(Decrypt)」の記事を引用する形で10月7日発表した。

「ロードトゥーデブコン」は、アジア市場でのブロックチェーン技術と開発者コミュニティの成長を加速するための取り組みだ。11月12日から15日にタイのバンコクで開催されるイーサリアム(Ethereum)の開発者カンファレンス「デブコン7(Devcon 7:Devcon SEA)」に向けて行われる。

この取り組みの主な活動として、あらゆるスキルの開発者を対象にしたイベント「アービリンク(ArbiLink)」をインドネシアとベトナムで開催するという。「アービリンク」参加者にはイーサリアムやWeb3に関する講演や、ネットワーキングの機会が提供されるとのこと。

さらに、アービトラム財団は「ステップイントゥーアービトラム(Step Into Arbitrum)」という教育キャンペーンも「ロードトゥーデブコン」の一環として展開しているようだ。

この教育キャンペーンでは、参加者がソフト開発キットであるアービトラムSDK(Arbitrum SDK)について学習し、dApp(分散型アプリケーション)を開発するスキルを習得できる機会が提供されている。なおこのキャンペーンは今年9月18日から11月2日まで開催しているとのことだ。

ちなみに「デブコン」とは、イーサリアム財団(Ethereum Foundation:EF)が主催するイーサリアムコミュニティでは最大となる開発者向けのカンファレンスだ。2014年から2019年まで毎年開催されていたが、前回の「デブコン6(Devcon6)」は新型コロナウィルス感染症の影響で3年間開催できず、2022年10月に開催された。

アービトラムとは

「アービトラム」はイーサリアムのレイヤー2スケーリングソリューション。同ネットワークでは、「オプティミスティックロールアップ(Optimistic Rollups)」を採用することでイーサリアムの安全性を保ちつつオフチェーンでの高速処理を実現している。

なおアービトラムでは、「アービトラムワン(Arbitrum One)」および「アービトラムノヴァ(Arbitrum Nova)」の2つのネットワークを展開している。

「アービトラムワン」はアービトラムのパブリックなメインネットであり、誰でもバリデーターとなることができる仕組みとなっている。一方で「アービトラムノヴァ」は選定されたバリデーターのみが参加する許可型のメインネットとなっており、厳密な分散性を達成することはできないが、その分低い手数料での利用を可能にしている。

そのような特性から「アービトラムワン」はDeFi(分散型金融)及びNFT向けチェーン、「アービトラムノヴァ」はゲーム及びソーシャルアプリに特化したチェーンとして取り扱われるケースが多い。

またアービトラムSDKとは、開発者がアービトラム上でdAppを構築するために必要なツールやリソースを提供するソフトウェア開発キットだ。

参考:DecryptStep Into Arbitrum
画像:iStocks/wvihrev・Rawpixel

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

合わせて読みたい記事

【11/22話題】SECゲンスラー委員長が退任へ、金融庁が暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討など(音声ニュース)

米SECゲンスラー委員長が来年1月に退任へ、功績評価の一方で反発や批判も、金融庁、暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討=報道、国民・玉木代表が税制改正要望を与党に提出、暗号資産への申告分離課税導入など提案、米裁判所、SECの「ディーラー」定義めぐる訴訟で関連規則を破棄するよう命じる、リミックスポイントが5億円でBTC・DOGE・XRP購入、投資総額30億円に、マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携 、コインベースが「WBTC」取扱い廃止へ、背景にジャスティン・サンの影響か、2019年のアップビットのハッキングは北朝鮮ハッカー関与か、韓国警察が特定、米ドルステーブルコイン「FDUSD」、スイに対応開始、Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」リリース

Sponsored

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している

マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携

米決済大手マスターカード(Mastercard)のマルチトークン・ネットワーク(MTN)が、米銀行大手JPモルガン(JP Morgan)のブロックチェーン基盤決済システム「キネクシスデジタルペイメント(Kinexys Digital Payments)※旧オニキス(Onyx)」と連携したと11月21日発表した