スペイン大手銀行BBVAがステーブルコインを来年ローンチか
スペインで2番目の規模を持つ銀行であるビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)が独自ステーブルコインのローンチ準備を進めていることが、フォーチューンによって10月3日報じられた。
このことは、同メディアがBBVAのデジタル資産およびブロックチェーン責任者のフランシスコ・マロト(Francisco Maroto)氏へインタビューし明らかになっている。
報道によるとBBVAは、米大手決済ビザ(Visa)の支援を受け、独自ステーブルコインを2025年に立ち上げる予定とのこと。現在同行は、ビザによる「企業の独自トークン発行支援プログラム」のサンドボックス段階にあるとのこと。
またマロト氏によるとBBVAのステーブルコインは、預金、マネーマーケットファンド、法定通貨等、どのような資産に価値を裏付けするか決定していないという。
ただし同ステーブルコインは、取引所での決済レイヤーに使用する計画であるとのことだ。
ビザは今年9月、法定通貨を裏付けとするトークン発行をサポートする金融機関向けの新製品「ビザ・トークナイズ・アセットプラットフォーム(Visa Tokenized Asset Platform:VTAP)」を開発したことが米コインデスクによって報じられている。
報道によると同製品は、スマートコントラクトによって機能する法定通貨を裏付けとするトークンの開発を可能にし、現実世界の資産(RWA)の取引プロセスのデジタル化と自動化を助けるという。なお同プラットフォームにはイーサリアムが採用されているとのこと。
なおその際の報道では、BBVAが「VTAP」に参加予定であり、2025年に実証実験を開始する予定だと伝えられていた。
また企業によるステーブルコイン発行は検討が進められている状況だ。
株式や暗号資産(仮想通貨)の取引アプリを提供する米ロビンフッド・マーケッツ(Robinhood Markets)が、独自ステーブルコインの発行を検討しているとブルームバーグが9月27日報じた他、18日には英フィンテック大手のレボリュート(Revolut)が、独自ステーブルコインの発行を計画していると米コインデスクが報じている。
また同日には、カストディー大手ビットゴー(BitGo)が、独自の米ドルステーブルコイン「USDS」の発行予定を発表していた。
その他にラテンアメリカ最大のEC企業メルカド・リブレ(MercadoLibre)の金融テクノロジー部門メルカド・パゴ(Mercado Pago)が、米ドルステーブルコインをブラジルの顧客向けに8月より提供開始。7月には米大手資産運用企業ステートストリート(State Street)が、独自のステーブルコインの開発を進めていると報道されている。
そして今年4月には米リップル(Ripple)社が、米ドルステーブルコインの年内発行予定を発表している。
なお昨年8月にローンチされたペイパル(PayPal)の独自米ドルステーブルコイン「PayPal USD(PYUSD)」は、現在イーサリアム(Ethereum)とソラナ(Solana)上で発行されており、現在ステーブルコインの時価総額では7位となっている(10/4 コインマーケットキャップ調べ)。
参考:フォーチューン
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