罰金支払いとガバナンストークン破棄に合意
米証券取引委員会(SEC)が、「マンゴー・ダオ(Mango DAO)」、「マンゴー・ラボ(Mango Labs)」、「ブロックワークス財団(Blockworks Foundation)」の3社と和解したと9月28日発表した。
「マンゴー・ダオ」は、ソラナ基盤のDeFi(分散型金融)プラットフォーム「マンゴー・マーケッツ(Mango Markets )の運営主体。また「マンゴー・ラボ」および「ブロックワークス財団」は同プラットフォームで未登録仲介業務を行ったとされる企業だ。
SECの訴状によれば、2021年8月より、分散型自律組織(DAO)を自称する「マンゴー・ダオ」とパナマの事業体である「ブロックワークス財団」は、「マンゴー・マーケッツ」のガバナンストークン「MNGO」の未登録の提供と販売により、米国を含む世界中の数百人の投資家から7,000万ドル(約99.6億円)以上を集めたという。
SECはまた、少なくとも2021年8月以降、「ブロックワークス財団」と「マンゴー・ラボ」が、「マンゴー・マーケッツ」のユーザーに対して証券取引を積極的に勧誘・募集し、証券投資のメリットに関する助言や評価を提供し、顧客のアカウント開設を支援し、顧客の資金や証券を定期的に処理することでマンゴ・マーケッツ上での証券取引を促進するなど、未登録の証券会社として運営していたと主張している。
これによりSECは「マンゴー・ダオ」と「ブロックワークス財団」を」1933年証券法の証券提供登録規定違反、そして「ブロックワークス財団」と「マンゴー・ラボ」を1934年証券取引法の仲介業者登録規定違反で起訴した。
起訴された3社は、これらの申し立てを認めることも否定することもなく、告発について和解することで合意。差し止め命令と命令に同意し、合わせて約70万ドル(約9,960万円)の民事罰金を支払うという。また「MNGO」トークンを破棄し、取引プラットフォームから「MNGO」の削除を要請し、「MNGO」の取引や提供、販売を許可する取引プラットフォームへの勧誘を控えることにも合意したという。
SECの暗号資産およびサイバーユニットの暫定責任者であるホルヘ・G・テンレイロ(Jorge G. Tenreiro)氏は、「暗号資産に係る執行プログラムの開始以来、プロジェクトの背後にいる人物、彼らの活動内容、あるいはその活動が登録を必要とするかどうかといった現実を『DAO』というラベルが変えるものではないというのが我々の見解だ。また、自動化またはオープンソースソフトウェアの支援による証券仲介業務に従事することが、そうした活動の性質を変えるものでもない」と述べている。
「マンゴー・ダオ」は、「SEC和解提案」に対する投票を8月19日に開始。賛成票多数で和解案は承認されていた。
「マンゴー・マーケッツ」は2022年10月、アブラハム・アイゼンバーグ(Avraham ‘Avi’ Eisenberg)氏のハッキングにより、1億1,000万ドル規模の流出被害に遭い、それ以降苦戦を強いられていた。
アイゼンバーグ氏は2022年12月にプエルトリコで逮捕され、検察当局により、「マンゴー・マーケッツ」のハッキングに関する、商品詐欺、市場操作、および電信詐欺で起訴された。この事件をきっかけに「マンゴー・マーケッツ」は検察当局による調査に直面し、プラットフォームが米国証券取引法に違反したという規制当局の申し立てを受けている状況が今年1月に報じられていた。
参考:SEC
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