SBIデジタル・マーケッツと21xが提携
SBIデジタルマーケッツ(SBI Digital Markets)とフィンテック企業21xが、トークン化証券を分散型台帳技術(DLT)取引所に上場させるため戦略的提携を結んだことを9月26日発表した。
SBIデジタルマーケッツは、SBIグループ傘下のSBIデジタルアセットホールディングスの子会社だ。
フランクフルト拠点の21xは、トークン化資産のためのDLT取引所を開発するフィンテック企業だ。なお同社開発の取引所は、欧州証券市場機構(ESMA)の規制監督下で運営される予定である。
この提携により、SBIデジタルマーケッツはトークン化された証券を21XのDLT取引所に上場する。これは、ESMAの規制下でトークン化された証券が取引所に上場される初のケースになると両社は説明している。
またSBIデジタルマーケッツはこの提携において、21Xのプライマリーおよびセカンダリー市場に上場が承認された資産のトークン化およびトークン化された証券のカストディアン業務の代理店およびサービスプロバイダーとしての役割を担う。両社は、21Xで一連のトークン化された証券を発行、流通、取引する計画で、まずは上場投資証券(ETN)と上場投資信託(ETF)に重点的に取り組む予定だという。
またこの提携により、SBIデジタルマーケッツの投資家は、シンガポール、タイ、日本を含むアジア太平洋地域から欧州への、またその逆方向へのアクセスが可能になる。
21Xの創設者兼CEOであるマックス・ハインツル(Max Heinzle)氏は、「この提携で、SBIデジタルマーケッツは、トークン化された証券の取引所として欧州で初めてかつ唯一完全に規制された取引所である21Xを、デジタル証券の取引と決済の欧州へのゲートウェイとして利用できるようになる」と述べている。
SBIデジタルマーケッツは昨年10月、大手資産運用会社UBSアセットマネジメント(UBS Asset Management)と協力し、変動資本会社(Variable Capital Company:VCC)によるトークン化されたファンドの発行・流通に関する技術的な試験運用を実施している。
参考:発表
画像:iStocks/Muhammad-Farhad