新製品VTAPを開発
米決済大手ビザ(Visa)が、法定通貨を裏付けとするトークン発行をサポートする金融機関向けの新製品を開発したようだ。 米CoinDeskが9月25日報じた。
報道によれば、新製品「ビザ・トークナイズ・アセットプラットフォーム(Visa Tokenized Asset Platform:VTAP)」は、スマートコントラクトによって機能する法定通貨を裏付けとするトークンの開発を可能にし、現実世界の資産(RWA)の取引プロセスのデジタル化と自動化を助けるという。なお同プラットフォームにはイーサリアムが採用されているとのことだ。
「VTAP」により銀行は、トークンを使用してRWAをほぼリアルタイムで決済して取引できるという。
また「VTAP」はスペインの銀行BBVA等が参加予定で、2025年に実証実験を開始する予定とのことだ。
香港でもトークン化の取り組みに協力
またビザは、香港でトークン化による資産投資のクロスボーダー決済と相互運用性の可能性を探求するe-HKDパイロットプログラムの第2フェーズに選定されたことを9月23日報告している。
Visaはオーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)と協力し、銀行が法定通貨を裏付けとするトークンを発行するために設計されたトークン化ソリューションを活用し、香港の中央銀行デジタル通貨(CBDC)となる「デジタル香港ドル(e-HKD)」とトークン化された銀行預金を含むDvP(Delivery vs Payment)決済のユースケースをテストする予定だという。
なおDvP決済とは、証券等の権利の引渡し(Delivery)と代金の支払い(Payment)を同時に行うことで、元本リスクを削減する決済手法のことだ。
同パイロットプログラムでビザは、銀行間送金および国境を越えた決済のほぼリアルタイム決済を模索し、オーストラリアに拠点を置く企業投資家による、ANZの資産運用顧客のフィデリティ・インターナショナルとチャイナAMC(香港)が提供するトークン化されたファンド単位の購入をサポートするとのことだ。
ちなみに同パイロットプログラムは、香港金融管理局(HKMA)のによるプロジェクト「e-HKD+」の一環で行われる。
なおビザは2023年に行われたe-HKDパイロットプログラム第1段階の一環にて、2つの大手銀行と協力し、トークン化された銀行預金による銀行間B2B決済フロー(不動産決済や加盟店・加盟店間の決済など)の利用事例を検証した実績がある。
参考:米CoinDesk ・ Visa発表
画像:iStock/Atstock-Productions