独SWIATのプライベートブロックチェーン上で
ドイツの大手テクノロジー企業のシーメンス(Siemens)が、米銀大手JPモルガン(JP Morgan)のブロックチェーンベースの決済システム「オニキス(Onyx)」と、ドイツのフィンテック企業「SWIAT」のプライベートブロックチェーンを使って、トークン化社債を発行・決済したと米コインデスク(CoinDesk)をはじめ各社が9月24日報じた。
報道によれば、シーメンスは9月13日、ドイツ電子証券法(eWpG)に基づき10万ユーロ相当の暗号資産証券(crypto securities)を発行し、3日後に償還したという。なお決済はオニキス上のJPMコインで行われ、資産の移転はSWIATネットワークのDvP(Delivery Versus Payment)で決済されたとのこと。
なおDvP決済とは、証券等の権利の引渡し(Delivery)と代金の支払い(Payment)を同時に行うことで、元本リスクを削減する決済手法のことだ。
「SWIAT」上の当事者による取引確認から、資産および支払いの移転が完了した旨の最終的な決済確認が当事者に送られるまでの全プロセスは93秒で完了したとのこと。
またドイツの暗号資産証券では、すべての発行に登録機関が必要であり、今回のケースではドイツ金融大手のデカバンク(DekaBank)が「SWIAT」ネットワーク上の規制された暗号資産証券登録機関として参加したという。
ドイツでは、2021年6月に電子証券法が施行された。以降ブロックチェーン活用のデジタル債券が発行可能となっている。同国ではまた、シーメンスをはじめとする企業が既にJPモルガンのブロックチェーンサービスを使用して、リアルタイムに世界中の資金を移動させている。
シーメンスはJPMコイン・ブロックチェーン・ベースの銀行口座を使用していることを明らかにしており、昨年6月には、JPMコインのプラットフォーム上で初のユーロ建て決済を行っている。
参考:報道
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