米サークル、IPO計画に先立ち本社をNY市に移転

米サークルが本社をNY市に移転

「USD Coin(USDC)」等のステーブルコインを発行する米サークル(Circle Internet Financial)が、今年初めに米国での新規株式公開(IPO)を非公開で申請した後、グローバル本社をボストンからニューヨーク市に移転することになった。

サークルは、2025年初頭にワン・ワールド・トレード・センター(One World Trade Center)に新本社を開設する計画であると、9月13日に同社が発表した。

サークルのニューヨーク市への移転は、暗号資産業界が伝統的な金融とより密接に結びつこうとしている兆しの一つである。ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)やブラックロック(BlackRock)などの企業もニューヨーク市に本社を構えている。

ビットコイン(Bitcoin)などの暗号資産は、トークンの価格が新たな高値に達し、その価格を追跡する上場投資信託(ETF)が今年米国市場に上場したことで、より人気が高まっている。

この成長は、現実世界の資産(多くの場合、米ドル)に連動する暗号資産の一種であるステーブルコインにも影響を与えている。サークルの「USDC」は、世界で2番目に大きなステーブルコインであり、現金や現金同等物、短期国債などで裏付けられている。

ただし暗号資産の市場トラッカーであるコインゲッコー(CoinGecko)によると、「USDC」の流通量は約350億ドル(約5兆円)であり、2022年中旬の560億ドル(約7.8兆円)を超えるピークから減少しているという。

「ワン・ワールド・トレード・センターの最上階付近にある当社の新しい本社は、金融の未来にとって重要なインフラ提供者として築いている信頼、安全性、安定性の象徴である」と、サークルの共同創設者でありCEOであるジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)氏は声明で述べた。

サークルは数年間にわたり上場企業になることを目指しており、2022年には特別買収目的会社(SPAC)を通じての上場計画を放棄した。その取引は同社の評価額を90億ドル(約1.2兆円)と見積もっていた。

サークルは1月にIPOを申請しており、当時同社は市場やその他の条件に応じて、米SEC(証券取引委員会)の審査プロセスが完了した後にIPOが行われる予定であると発表していた。

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Crypto firm Circle to move headquarters to New York City ahead of planned IPO
(Reporting by Hannah Lang in New York; editing by Jonathan Oatis)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【9/18話題】プログマらの「ステーブルコイン決済プロダクト」が実運用向け開発へ、トランプのDeFiトークン「WLFI」販売計画など(音声ニュース)

プログマとデータチェーン、「ステーブルコイン決済プロダクト」を実運用向け開発フェーズに移行、サークル「USDC」、Suiにネイティブ対応へ、トランプ一族のDeFiプロジェクト、独自トークン「WLFI」販売計画が明らかに、親クリプト派議員マクヘンリーとエマー、エアドロップに対するSECの姿勢問う書簡をゲンスラー委員長に送る、豪中銀、CBDCはホールセール向け優先と決定、ブータン政府、1000億円超のビットコイン保有か=アーカム、イーサリアム次期大型アップグレード「Pectra」、2分割での実施を検討、分散型デリバティブ「ベガプロトコル」がベガチェーンとVEGAトークンのサポート終了へ

Sponsored