デジタル資産と通貨の決済の合理化目指し
国際銀行間ネットワークシステムを提供するSwift(国際銀行間通信協会)が、トークン化された証券取引における様々な決済方法をテストするようだ。Swiftが9月11日発表した。
発表によればSwiftは、さまざまな形態のデジタル資産と法定通貨を相互にリンクする実用的なソリューションを構築しているという。これはSwiftの既存および新興の資産タイプへのアクセスをユーザーに提供するというビジョンの一環として行われているという。
これにより将来的には、証券購入者がトークン化された資産をSwiftのネットワーク上でリアルタイムに交換できる可能性があるとのことだ。
今後の計画には、Swiftのグローバルプラットフォーム上で、マルチレジャーのDvP(Delivery-versus-Payment)およびPvP(Payment-versus-Payment)取引を可能にするためのテストも含まれるとのこと。
ちなみに、DvPは、支払いが完了してから証券の受け渡しを行う方法であり、PvPは買い手と売り手の支払いが同時に行われる方法のことをを指す。
Swiftは「世界的に受け入れられているデジタル形式の通貨がなければ、DvP決済の現金決済部分は特に困難」だとし、「そのため、トークン化された資産の決済と、Swiftのネットワーク上で行われる対応する支払い送金を接続する方法を検討している」と述べた。
決済部分は当初は既存の法定通貨を使用するが、その後は中央銀行デジタル通貨(CBDC)、トークン化された商業銀行マネー、規制されたステーブルコインなどデジタル資産に対応する予定とのことだ。
Swiftは2022年より、分散型オラクルネットワークを提供するチェーンリンク(Chainlink)と提携し、クロスチェーンプロトコルの概念実証を進めている。昨年8月にはエンタープライズ抽象化レイヤーとして、Swiftのネットワークをイーサリアムのセポリアテストネットワークに接続したことを報告。同実験により、Swiftが複数のブロックチェーンネットワークへの単一のアクセスポイントを提供できることが実証され、トークン化された資産の開発に取り組む機関をサポートできることが示された。
参考:発表
画像:iStocks/Aramyan・artacet