ソニーとスターテイルのイーサL2「Soneium」、ローンチパートナーらとの提携内容が続々公開

提携発表続く

ソニーグループとStartale Labs(スターテイルラボ)による合弁会社(ジョイントベンチャー)Sony Block Solutions Labs(ソニーブロックソリューションラボ)開発のブロックチェーン「Soneium(ソニューム)」とローンチパートナーらの提携内容が8月23日続々と発表された。

「Soneium」のローンチパートナーは、特別パートナーであるAstar Network(アスターネットワーク)の他、Optimism(オプティミズム)、Alchemy Platform(アルケミープラットフォーム)、Circle(サークル)、Graph Protocol(グラフプロトコル)、Chainlink(チェーンリンク)が名を連ねている。

具体的な提携内容として、web3インフラ開発のアルケミーはWeb3インフラとツールを提供し「Soneium」の開発を支援する。また「Soneium」の開発者向けにもWeb3インフラとツールを提供すると発表しており、APIキーは9月に利用可能になると報告している。

分散型オラクルネットワーク提供のチェーンリンクは「Soneium」に同社のプラットフォームを統合することで、「Soneium」は技術採用を促進するために必要なインフラを活用できるようになると報告している。

USDC発行のサークルは「Soneium」上で「ブリッジ型のUSDC」を展開するようだ。同ブロックチェーン上での「ブリッジ型USDCにより、Web3の展望が再定義され、Web3体験が誰にとってもより身近なものになることが楽しみだ」とサークルはコメントしている。

ブロックチェーンデータのクエリ機能などを提供するザ・グラフ(The Graph)は、オンチェーンデータへの素早いアクセスを提供することで、「Soneium」上で構築する開発者をサポートする。同プロジェクトは 「The Graphで構築することで、ユーザーと構築者がデータを管理しその権利を維持できる」と説明している。

「Soneium」について

「Soneium」は、Ethereum(イーサリアム)のレイヤー2ブロックチェーン。Optimism Foundation(オプティミズム財団)開発の「OPスタック(OP Stack)」により構築したという。

「Soneium」は、OPスタックを採用したブロックチェーンをシームレスに接続し、イーサリアムのエコシステムにおける拡張性と相互運用性の強化を目指す「Superchain(スーパーチェーン)」構想の一部のチェーンとなる。これは「Soneium」の主要資産となるアスター(ASTR)が、Base(ベース)やOptimism(オプティミズム:OPメインネット)、Mantle(マントル)等のスーパーチェーンネットワーク内のエコシステムと相互運用可能になることを意味すると説明されている。

また「Soneium」ではガス代(トランザクション手数料)をイーサリアム(ETH)とし、現時点では独自トークンを発行する予定はないという。

今回の発表によると「Soneium」は、近日中にテストネットを公開するとのこと。このテストネットは、「Soneium」の技術を活用したアプリ開発をソニーグループ内外の開発者と共創することを目的とするものだという。今後Sony Block Solutions Labsは、テストネットで開発されたアプリとともにメインネットの一般公開に向けて検討を進めていくとのこと。メインネットにより、ユーザーは各種アプリに自由にアクセスし、Web3サービスの利用が可能となるとのこと。

「Soneium」メインネットでは、ソニーグループのS.BLOXが運営する暗号資産取引サービスなどのWeb3アセットも活用される予定だ。

参考:Soneium概要
画像:iStock/Lidiia-Moor

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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