セールスフォースやサムスンがスマートコントラクト言語開発企業「Digital Asset」のシリーズCラウンドに参画
スマートコントラクト言語「DAML」を開発しているDigital Asset社が、SalesForce Ventures、Saumsung Venture Investment Corpが参画した2度目のシリーズCラウンドを終えたことを発表した。
そして、同時にDigital AssetのアドバイザーのSusan Hauser(スーザン・ハウサー)氏の取締役就任を発表した。彼女は、Microsoftでワールドワイドエンタープライズ&コーポレートバイスプレジデントを務め、様々な業界とのパートナーシップ締結を担当してきた人物だ。
この資金調達の目的は、複数の業界でのDAML言語の採用とパートナー企業とプロダクトの質や量を高め、DAML開発者のデベロッパーエクスペリエンスを向上させることだ。
Digital AssetのFounderでCEOのYuval Rooz(ユバル・ルーズ)氏は「Salesforce VenturesとSamsungがシリーズCの資金調達ラウンドに参加したことによって、テックジャイアント企業がDAMLをスマートコントラクトの標準として見ている可能性を示せたと思います。そして、 スーザンハウザー氏を取締役に任命することで、我々のビジョンを実現できるようになるでしょう」とコメント。
Digital Assetの取締役に就任したSusan Hauser(スーザン・ハウサー)氏は「Digital Assetのアドバイザーとして働いている間、すぐにスマートコントラクトが様々な業界にとって、いかに重要なテクノロジーであるかを学びました。近い将来、スマートコントラクト(およびDAMLなどの言語)がどんどん採用されていくでしょう。私はこれまでMicrosoftで培ってきた専門知識を共有していき、同社が市場参入活動を拡大し、DAML言語で業界全体を変革し、企業同士の信用設計を必要としない状態で、イノベーションを提供できるようにDigital Assetを支援することを楽しみにしています」とコメント。
編集部のコメント
Digital Assetのビジネスモデルは、様々なテクノロジープロバイダーと提携して、DAML言語のプロダクトを提供することです。現在明らかになっている提携先は、Hyperledger Sawtooth、Hyperledger Fabric、Corda、AmazonのQLDB、クラウドAuroraデータベース、VMware Blockchain、Google Cloudとなっています。
そしてSalesforceに関しては、DAMLが2019年にオープンソース化された直後にDAMLをサポートしているプラットフォームの1つであるHyperledger Sawtoothを基盤にして独自のブロックチェーンソリューションを開発したことが明らかになっています。
このように、様々なテックジャイアントがDAMLに関心を持ち、取り入れようとしている姿勢は見えます。しかし、現状はBtoB領域で、DAMLとSolidityの違いなどについて、明確にまだ伝えられていないと思います。しっかりとアーキテクチャの違いを、あたらしい経済編集部でも取り上げていけたらと思います。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
(images:kingwin)