三井住友信託含め13の金融機関が2月中にブロックチェーンでの「相続プラットフォーム」の実証実験開始
三井住友信託銀行含め13の銀行がブロックチェーン技術を活用したプラットフォーム「相続プラットフォーム」の実証実験を2月中に開始することが明らかになった。
この相続プラットフォームには、大手銀行や証券会社など13社が参加する。具体的には「京都銀行、群馬銀行、名古屋銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、SMBC 信託銀行、野村證券、松井証券、みずほ信託銀行、みずほ証券、三井住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行、SMBC日興証券」だ。
この実証実験の目的は、相続手続きのうち、遺言執行手続き、残高証明発行、確認等について、ブロックチェーンを活用し、参加金融機関が必要書類のデジタル化・共有化による一連の業務を実施することで、手続き期間の短縮化を検証することだ。
今後の展望として、今までの遺言執行業務では金融機関間で大量の書類を郵送する必要があったが、本プラットフォームを構築することで、金融機関における事務効率化を実現し、ユーザーにとって、手続き期間の大幅短縮という価値向上を目指していくということだ。
編集部のコメント
相続発生後、個人が金融機関に預けられていた預金や有価証券については、名義変更や換金手続きが必要になります。しかし、戸籍謄本や印鑑証明書をはじめ、多数の書類が必要で、顧客と金融機関双方の手続き負担が大きく、数か月かかるケースも、散見されているのが現状です。
さらに、三井住友信託銀行のリリースによると、日本は高齢化社会を迎え、相続税発生累計額約 1,000 兆円の資産で相続手続きが発生していくと言われています。このように複雑化した管理形態に対して、日本人が利用している金融機関間の情報共有やプロセス共有を「相続ブロックチェーン」というコンソーシアムチェーン で行えることは非常に賢明な方法ではないか、とあたらしい経済編集部は考えます。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
(images:antoniokhr)