ブロックチェーンベースの金融決済システム構築目指す
タイ政府が、デジタルウォレット政策の詳細を7月24日発表した。
この動きは、昨年のタイ選挙にてタイ貢献党が公約した、16歳以上のタイ国民にブロックチェーン技術活用のデジタルウォレットアプリを通じて10,000バーツ(277ドル)を支給することに関するものだ。
同プロジェクトは、地域内のお金のサイクルを促進することで経済活性化を目指すもので、878地区を対象に生活費の負担を軽減すると説明されている。
また同プロジェクトでは、金融機関システムのセキュリティと安定性の強化、将来的に国民がデジタルチャネルを通じて政府と取引することを奨励するデジタル政府構造の基礎を築くことも視野に入れているとのことだ。
同プロジェクトによるデジタル資産の配布は、デジタルウォレット経由で、対象者向けに配布される予定。なおウォレットは既存の政府アプリに追加されている。
Webサイトによれば、8月1日から9月15日までスマートフォン向けデジタルウォレットの受給者登録が受け付けられる。
なおスマートフォンを持っていないユーザー向けの登録は9月16日から開始され、第4四半期中に支給が開始される予定。同ユーザーは、国民IDカードと個人コードだけで決済するようだ。
受給対象となるのは、タイ国籍を持つ16歳以上であること以外に、住宅登記に名前が記載されている本人であること、服役中でないこと、2023年の収入が84万バーツ(2万3260ドル)を超えていないこと、銀行などの金融機関に50万バーツ(13,847ドル)以上の貯蓄がないこと等が挙げられている。
なお配布されたデジタル資産は地元地域でのみ使用可能であり、オンラインでの使用や、現金への交換はできない。また、プロジェクト開始当初は小規模の小売店でのみ使用可能で、宝くじやアルコール、たばこなどの特定の商品には使用できないとのこと。なおプロジェクト後期では、店舗間の支出を通じた企業間取引を目指す予定だ。
タイ第二の党であるタイ貢献党は昨年8月、デジタルウォレット政策を推進すると公表。デジタルウォレットアプリを通じたデジタル資産支給を公約。
タイ貢献党のパオプム・ロジャナサクル(Paopoom Rojanasakul)副幹事長は、経済活性化に加え、同プロジェクトが全国的なブロックチェーンベースの金融決済システムの構築を目指すものであり、タイはこのデジタル決済を導入する最初の国のひとつになるだろうと述べていた。
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参考:デジタルウォレットプロジェクト・ バンコクポスト
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