「MATIC」の「POL」移行は9月4日に
「ポリゴンPoS(Polygon PoS)」のネイティブトークン「MATIC」の「POL」への移行予定日が9月4日に決定した。ポリゴンラボ(Polygon Labs)が7月18日に発表した。
「POL」は、「ポリゴンPoS」の新たなネイティブのガスおよびステーキングのトークンになる予定だ。またブロックチェーンを統合したネットワークの構築を目的にしたポリゴンラボ開発のアグリゲーションレイヤープロトコル「アグレイヤー(AggLayer)」において「POL」は重要な役割を果たすとされている。
なお現在「ポリゴンPoS」上の「MATIC」保有者は、今回のアップグレードに際して、特に何もする必要はなく、「MATIC」が「POL」へ自動的に変更されるとのこと。
ただし、イーサリアム(Ethereum)やポリゴンzkEVM(Polygon zkEVM)といったブロックチェーン上の「MATIC」や、中央集権取引所(CEX)で保有する「MATIC」については、何らかの対応が必要になるとのことだ。
イーサリアムおよびポリゴンzkEVM上の「MATIC」は、同チェーン上のDEX(分散型取引所)にて「POL」へスワップ可能になるという。対象となるDEXには「POL」へのアップグレード対応を行うよう案内がされている。またdApps(分散型アプリケーション)やウォレットプロバイダー、RPCプロバイダーに対してもDEXと同じくアップグレードへの対応がポリゴンラボより求められている。
またCEX上の「MATIC」については、CEXからのガイダンスに従うようアナウンスされている。
ポリゴンラボによるとイーサリアムおよびポリゴンzkEVM上の「MATIC」保有者に対しては、現在のところ「POL」への移行期限は設けていないという。しかしコミュニティとしては将来的な期限を設定する権限を持っていると説明されている。
ポリゴンラボは昨年7月、ポリゴンのネイティブトークン「MATIC」を新トークン「POL」へアップグレードする提案を発表していた。
なおこの提案は、昨年6月に発表されたポリゴンの新たなロードマップ「Polygon2.0」の一環である。
具体的には「POL」を用いることで、同時にポリゴンエコシステム内の複数のチェーンのバリデーターになれるとのこと。また「ゼロ知識証明の作成」や「データの可用性の保証」など、「POL」によりエコシステム内の全てのチェーンがバリデーターに対し、複数の役割及びその報酬を与えられるようになることが「POL」の革新的な改善であるという。
ホワイトペーパーによると「POL」の初期供給量は100億枚であり、そのすべてを「MATIC」からの移行に充てるとのこと。またトークンの移行についても記載されており、この移行をできるだけ簡素化するためにスマートコントラクトを用いたトークンの交換が利用されるという。
なおDeFi(分散型金融)やスマートコントラクトに数年間「MATIC」をロックしている保有者もいるため無制限ではないものの、「例えば4年間のような長期間の交換には対応するべきである」との記載もされている。
Action may be required for:
— Polygon Foundation (@0xPolygonFdn) July 18, 2024
those with MATIC on Ethereum, Polygon zkEVM, CEXes
stakers, delegators and LST holders
etc.
No action needed for MATIC holders on Polygon PoS.
Each situation is unique. Read the blog for more details on various situations:https://t.co/GiRgPkMdYm pic.twitter.com/wZA65ybTGJ
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参考:ポリゴンラボ
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