WEFがデジタル通貨ガバナンス検討のグローバルコンソーシアム設立
世界経済フォーラム(WEF)が、ステーブルコインを含むデジタル通貨のガバナンス設計を検討する、グローバルコンソーシアムを設立したことを1月24日プレスリリースで発表。
デジタル通貨は金融包摂のツールとなりうるが、優れたガバナンス設計が伴わなければ実現ができないと、同コンソーシアムの設立の理由を説明しており、同コンソーシアムでは、デジタル通貨の領域を規制することと、相互運用可能で透明性のある包括的な政策アプローチの開発をしていくとのこと。
また同コンソーシアムは、デジタル通貨に関する効率性、スピード、相互運用性、金融包摂、透明性を中心に強化をし、デジタル通貨の利用を公的機関と民間企業を共にサポートできるように指針を決定をしていくとのこと。
なお同コンソーシアムは、大手企業、金融機関、政府代表、技術専門家、学者、国際機関、NGO、およびフォーラムのコミュニティのメンバーを世界レベルでまとめた最初の取り組みとのこと。
Facebookの仮想通貨ウォレットCalibraのトップDavid Marcus(デビッドマーカス)氏、ConsenSysの創設者Joseph Lubin(ジョセフルービン)氏が、同コンソーシアムに対し支持を表明している。
編集部のコメント
現在の金融システムを日本の銀行を軸に考えてみましょう。
日本の銀行からアメリカの銀行へお金を送金するためには、約4つの機関を通過しなければなりません。そのプロセスとは、1.全銀ネット2.SWIFT3.コルレス銀行4.アメリカの現地銀行です。
そのプロセスは、大きく4つのトランザクションを処理して、ファイナリティとなります。その処理に対して4エンティティが関わるのが、現在の金融システムです。
一方、デジタル通貨による多国間送金の場合は、事前にトランザクション処理についてスマートコントラクトに書き込んでおくことで、コントラクトベースで処理され、ブロックチェーン上でペイメントが行われるようになります。
今回のガバナンス設計はおそらくこのスマートコントラクトにどういったルールを組んでいくかという部分になるかと思います。つまり、既存の金融でコードベースにプロセス化されていなかった処理をコードベースで処理できることにより、コストが安く、正しくペイメント処理が行われるようになっていくと、あたらしい経済編集部は考えます。
コメント:竹田 匡宏(あたらしい経済)
(images:liuzishan)