京都大学研究グループ、「ブロックチェーンのトリレンマ」を表現する数式発見

「ブロックチェーンのトリレンマ」を表現する数式が発見される

京都大学の研究グループが、「ブロックチェーンのトリレンマ」を表現する数式を発見したことを発表した。なお今回発表された研究成果は、6月5日に国際学術誌「IEEE Access」にオンライン掲載されている。

今回の発見は、京都大学の大学院情報学研究科と京都大学の学術情報メディアセンターによる研究チームによって行われたもので、これまで経験則としてしか説明できなかった「ブロックチェーンのトリレンマ」が数理的に説明可能になった。

「ブロックチェーンのトリレンマ」は、2017年にイーサリアム(Ethereum)の創始者の一人であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が提唱した法則だ。この法則によると、ブロックチェーンにおいて性能(scalability)・安全性(security)・分権性(decentralization)の3つはトレードオフの関係にあり、このうち同時に達成できるのは2つまでであるという。

リリースによると、この数式を観察することで安全性と分権性を犠牲にせずに性能を向上させるための方針が見えてくるとのことだ。またこれを実現するための新手法も示唆されるという。

なお現在は、PoW型のブロックチェーンについてのみ、今回の数式が発見されており、今後イーサリアムが移行したことで現在主流になりつつあるPoS型のブロックチェーンなど、PoW型以外のブロックチェーンについてもトリレンマの数理的表現を探していくとのことだ。

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参考:リリース
images:iStockberya113・metamorworks

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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