米連邦地裁が「暗号資産は証券ではない」と判決、「BNB」の二次販売の証券性等も却下=バイナンス発表

米地裁が暗号資産は証券ではないと判決

コロンビア特別区連邦地方裁判所は、米証券取引委員会(SEC)による「暗号資産(仮想通貨)が証券である」という主張を却下した。大手暗号資産取引バイナンス(Binance)が7月2日発表した。

またバイナンスによると裁判所はその他にも、暗号資産取引所による「ビルドアンドビルト(BNB)」の流通市場での販売(二次販売)が証券取引に分類されること、そして米ドルステーブルコイン「バイナンスUSドル(BUSD)」が投資契約に分類されるといったSECの主張も却下したとのことだ。

同判決を下したエイミー・バーマン・ジャクソン(Amy Berman Jackson)判事は、「暗号資産自体がSECの監視対象となる投資契約ではない」とし、SECによるアプローチが問題を曖昧にし、米国最高裁判所の支配的な判例を無視していると判断したとのこと。また同判事は、「各取引を取り巻く状況が証券取引に該当するかどうかに焦点を当てるべき。証券ではない暗号資産そのものに焦点を当てるべきでない」と強調したという。

また「BNB」について同判事は、「二次市場での販売における購入者が『BNB』を他の用途ではなく利益を期待して取得したことをSECが主張できなかった」と裁定。このことは、米国において特定の取引が証券取引の定義の一つである「投資契約」に該当するかどうかを判定する「ハウィーテスト」に合格するための重要な基準であるとバイナンスは伝えている。

そして「BUSD」については、「『BUSD』はステーブルコインとして販売されており、投資家がバイナンスの努力によりその価値が上昇すると期待していたことを示す事実はない」と同判事は述べたとのことだ。

バイナンスは、「これら判決はバイナンスと暗号資産業界全体にとって大きな勝利だが、いくつかの課題が残っている」とし、「BNB」の直接販売は証券取引であるといったSECの主張の一部を、裁判所は認めたと伝えた。

これについては、「裁判所は訴訟の現段階では、SECによる申し立てが真実であると想定しなければならないため」であるとし、顧客が暗号資産を他の用途ではなく、投資として購入したことを証明する責任はSECにあるとバイナンスは述べている。

関連ニュース

参考:バイナンス
image:iStocks/taa22

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【11/21話題】ビットコイン9万6000ドル突破、ホワイトハウス初の暗号資産ポスト新設検討かなど(音声ニュース)

ビットコイン9万6000ドル突破、トランプの政策に期待、トランプ陣営、ホワイトハウス初の暗号資産ポスト新設を検討か=報道、アスター、新ロードマップ「Astar Evolution Phase 1.5」発表、ASTRがオプティミズムスーパーチェーン進出へ、オンチェーン分析のArkham、米国で暗号資産の現物取引所立ち上げへ、コインベースウォレットが「USDC Rewards」導入、保有だけでAPY4.7%、韓国最大の野党、暗号資産課税の免除額引き上げの改正案を提出=報道、FTX元幹部ゲイリー・ワン、暗号資産詐欺事件で実刑を免れる、韓国大手の暗号資産取引所Upbit、「ジャスミーコイン(JASMY)」取り扱い、コインベースにミームコイン「Floki(FLOKI)」上場へ、ジェミナイ、フランスで正式にサービス展開、ビットフィネックス証券、エルサルバドルで「トークン化米国債券」提供へ、21シェアーズ、「Ethereum Core ETP」にステーキング機能追加、EVM互換のL1ブロックチェーン「Monad」、テストネットを段階的に公開へ、1SECと丸井グループが資本提携、ブロックチェーン活用の新しいファンエンゲージメントモデル構築で

Sponsored