【取材】グリー、Sui採用ブロックチェーンゲーム「釣りスタ」配信開始

グリー初のブロックチェーンゲームが配信開始

グリーグループ初のブロックチェーンゲーム「クリプトキャッチ!釣り★スタ」が、全世界配信を開始した。グリーの100%子会社のシンガポール法人BLRD(ブラード)が6月20日発表した。

「クリプトキャッチ!釣り★スタ」は、グリーが世界初のモバイルソーシャルゲームとして2007年に配信を開始した「釣り★スタ」を基にしたゲームだ。ブロックチェーンにはレイヤー1ブロックチェーン「Sui(スイ)」を採用している。

「クリプトキャッチ!釣り★スタ」では、釣りシミュレーションを楽しみながら、使用するつり竿をNFTにして、他のプレイヤーと交換、売買可能となっている。

同ゲームは、モバイル版とPC版でリリースされており、ゲームプレイには「スイ」のweb3ウォレット「Sui wallet」のインストールが必要となっている。

また釣り竿NFTは、5本以上所持している場合にNFT化が可能となっている。釣り竿NFTの2次流通は、スイのブロックチェーンに対応するNFTマーケットプレイスであれば、トレードポート(tradeport)等どこでも可能であるとのこと。

また別途NFTとして入手した釣り竿はゲーム内で使用する際に焼却される。ただし、2次流通を希望する場合は再度ミント(発行/鋳造)が可能で、その際は別オブジェクトIDでミントされるという。

なおゲームプレイにかかるガス代(トランザクション手数料)は、「日別早期ログインユーザーのデイリーボーナスの受け取り」および「5本以上釣り竿を所持している場合のNFT化」についてはBLRDがガス代をサポートするとのこと。ただし「通常のデイリーボーナス」および「ウォレットに所持している釣り竿のゲーム内への取り込み」にはガス代がかかるとのことだ。

これについて、グリーweb3事業部Head Of Business Developmentの村田卓優氏へ取材したところ、「プレイをするにあたって必要となるガス代は、当社が結構な量を負担はする予定です。そのため実質的にほぼ無料で遊べると思います。 ただし100%無料にした場合、セキュリティ面の懸念や、web2ゲームとの差異をユーザーに全く意識されなくなると考え、それならば『ゲームプレイに影響が少ない箇所でガス代トークンが必要であることを意識してもらうような作り』であってもいいのでは、と社内で話し、今回の決定に至りました」との回答を得た。

グリーweb3事業部Head Of Business Development 村田卓優氏へ取材

「あたらしい経済」編集部は、グリーweb3事業部Head Of Business Developmentの村田卓優氏へ以下の質問をし、回答を得た。

ブロックチェーンにスイを採用した理由を教えてください

バリデータを行っているチェーンが複数あり、その中でお付き合いする中で条件ややりたいことが合致しました。日本でまだゲーム会社で利用実績がないのではないかと思ったのも理由です。せっかくなら新しいことやってみたかったです。

本ゲームリリースまでに苦労した点を教えてください

オンチェーンとオフチェーンのバランスの最適解を探りながら作りました。シンプルに初めての試みということで社内のルールも整備しながら開発を進めたところです。開発もそうですが、調査や討議も結構ありましたし苦労しました。しかしこれらは次回作以降にも生かせる資産となりました。

本ゲームを通して貴社がクリプト業界へアプローチしたいと思っている事はありますでしょうか?

多くの人にブロックチェーンを触っていただくきっかけになって、このゲーム発のトランザクションを1つでも多く増やすことでブロックチェーンの普及に貢献をしたいです。

全世界向けの配信とありますが、どのようなグローバル向けの対応を予定されていますでしょうか?

弊社の地の利はやはり日本なので日本での活動が中心ですが、(スイ開発元の)ミステンラボ(Mysten Labs)さんにもグローバルなプロモーションをご協力頂く予定です。 ゲームの言語も勿論英語対応しています。

関連ニュース

参考:グリー
images:iStocks/irabell

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事