オニキスブロックチェーンを採用
英大手資産運用会社フィデリティ・インターナショナル(Fidelity International)が、マネーマーケットファンド(MMF)の株式のトークン化にJPモルガンの「オニキス(Onyx)ブロックチェーン」を採用した。米コインデスク(Coindesk)が6月11日報じている。
報道によればフィデリティ・インターナショナルによるトークン化は、ファンドの名義書換代理人(JPモルガンの名義書換代理人業務)と、銀行のオニキスブロックチェーン上で担保受取人と担保提供者の間に位置するアプリケーションである「トークナイズ・コラテラル・ネットワーク(Tokenized Collateral Network)」との接続を通じて、ほぼ瞬時に行われたとのことだ。
なお「オニキス」はJPモルガンのイーサリアム基盤のプライベートブロックチェーンネットワークだ。「オニキス」では、同社が2019年に立ち上げた企業間決済に特化したデジタル通貨「JPMコイン」を使用して資産トークンを取引できる。
現在、現実世界の資産や権利(RWA:リアルワールドアセット)のトークン化は業界のトレンドという向きがあり、大手銀行が参入している。
JPモルガンは昨年10月、大手資産運用会社ブラックロック(BlackRock)のマネーマーケットファンド(MMF)の株式を「オニキス」でトークン化。この株式は店頭デリバティブ取引の担保として英バークレイズ銀行に送られた。
また、フィデリティ・インターナショナルも3月、スイスのシグナム銀行(Sygnum)とトークン化プロジェクトに取り組んでおり、マターラボ(Matter Labs)保有のフィデリティ・インターナショナルのマネーマーケットファンド(MMF)5000万ドル分がzkSync上でトークン化されている。
※2024.6.12 13:30追記
フィデリティ・インターナショナルを米大手資産運用会社フィデリティインベストメンツ傘下と表記していましたが、両社は同ブランドでありながら別会社であるため、表記を変更しました。