経産省の「令和5年度 Web3.0・ブロックチェーンを活用したデジタル公共財等構築実証事業」、事業者公募が開始

「Web3.0・ブロックチェーンを活用したデジタル公共財等構築実証事業」事業者公募開始

経済産業省による「令和5年度 Web3.0・ブロックチェーンを活用したデジタル公共財等構築実証事業」の事業者公募の開始が6月3日発表された。

なお同事業および同事業の事業者公募は、経産省から委託を受けた社会実装推進センター(JISSUI)が行っている。ちなみに同事業の予算は4億4,999万円が上限として設定されている(2/2公開 同事業の企画競争募集要領を参照)。

同事業では具体的に、次の5つのテーマが定められ、実証実験が実施される。

  • 現物資産や無形資産のデジタル化市場(発行・流通市場)構築
  • 資源循環システムの自律化・強靱化のための情報プラットフォーム構築
  • スポーツ業界における肖像権等の権利管理システム・ルール策定
  • コンテンツIP保護のためのガイドライン策定
  • Web3.0型地方創生・関係人口創出事業のためのガイドライン策定

公募期間は、6月3日〜6月26日17:00必着となっている。

事業目的について

経産省はWeb3.0・ブロックチェーン技術について、将来的なポテンシャルを秘めた技術であるものの、「実利で動く民間事業者にとって価値が見えづらい」「インフラ構築は公共性が高く民間事業者のみで取り組む経済合理性が低い」「ルール整備は進んでいるが依然として複雑・不明瞭な部分も多い」といった課題により、社会実装/社会受容が十分に進んでいない状況にあると説明している。

これらの課題に対応するため同事業では、産業及び社会における課題の解決等に資する公共性の高いユースケーステーマを設定し、各業界もしくは業界横断のWeb3.0・ブロックチェーンを活用したデジタル公共財等の構築に係る実証を支援するという。

同事業により、民間事業者にとってメリットを認知させる具体的成果や手法を公開していくことで業界全体としてのコスト・リスクを下げるとともに、デジタル公共財としてのデータ標準の策定・データ連携基盤構築や、公共財としてのガイドライン・ルール整備等を支援するとのこと。

そしてこれにより投機的なWeb3.0ビジネスだけでない新たなユースケースを創出し、Web3.0・ブロックチェーンの社会実装/社会受容の加速を目指すとのことだ。

なお同実証事業の実施にあたっては、Web3.0・ブロックチェーン領域における法律、会計・税務、技術、国際、コミュニティ等に知見がある有識者10名による有識者委員会(アドバイザリーボード)を設置し、アドバイザリーボードにおける議論・アドバイス等を踏まえて制度設計がなされているとのこと。

アドバイザリーボードには、千葉工業大学学長の伊藤穣一氏やイーサリアムファウンデーションのエグゼクティブディレクターの宮口あや氏、スターテイルラボのCEOである渡辺創太氏、アクセンチュアのマネジング・ディレクターの唐澤鵬翔氏、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の外国法共同事業パートナーの河合健氏、CoinPost代表取締役CEOの各務貴仁氏らが参画している。

また同実証事業では、事業実施中におけるスペシャルアドバイザー等による伴走支援・ワークショップの開催等が行われるとのこと。

スペシャルアドバイザーには、VCのブロックチェーンキャピタル(Blockchain Capital)やインキュベーターのアドバンスドブロックチェーン(Advanced Blockchain)から人材が派遣される他、イーサリアムファウンデーションから堤隆道氏、Wanseob Lim氏、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の外国法共同事業パートナーの長瀬威志氏などがスペシャルアドバイザーに採用されている。

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参考:社会実装推進センター経産省
images:iStocks/olegback・keko-ka

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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