ENSがL2へ移行か
イーサリアム(Ethereum)ベースのアドレスネーミングサービス「イーサリアムネームサービス(ENS:Ethereum Name Service)」を開発するENSラボ(ENS Labs)が、「ENS」のコア機能をL2へ移行する計画「ENSv2」を5月28日発表した。
「ENSv2」が導入された場合ユーザーは、ドメイン「.eth」をL2ネットワークへ移行することでガス代(手数料)が大幅に削減されるとのこと。また「.eth」のマルチチェーン相互運用性が向上し、さらに自身が保有する「.eth」の所有権をより細かく管理することが可能だという。
なお必要に応じて「.eth」をイーサリアムでホストすることでセキュリティと可用性の保証も維持できるとのこと。
ただし「ENSv2」では、「ENS」プロトコルのコアな機能をL2ネットワークへ移行するだけではなく、アーキテクチャを根本から再構築するという。
また「ENS」をL2ネットワークへ移行する為に必要となる追加資金として、ENS DAOから年間400万USDC(約6.2億円)の予算を要求する提案が含まれている。なおこの追加資金は主に開発者の雇用と、L2 ネットワークの開発および展開に関連するインフラストラクチャコストのカバーに充てられるとのこと。
ENSとは
「ENS」は、複雑な文字列から構成される暗号資産のウォレットアドレスを認識しやすい「任意の文字列」と紐付けることができるイーサリアムブロックチェーン基盤のアドレスネーミングサービスだ。インターネットにおけるDNS(Domain Name System)のようなサービスとなる。
「ENS」を利用して取得したアドレス用の文字列は一般にENSと呼ばれており、「.eth」などの拡張子が付属する。なおENSはNFTとしても発行される。
ENSのユーザーはDeFiやweb3ゲームでユーザーネームのように取得した文字列を使用することができ、ENSに対応したウォレットでは送金時に送金先のアドレスの代わりにアドレスに紐づいた文字列を利用することもできる。