日本の仮想通貨取引所業界の再編成が進むか、バイナンス、Zコーポレーション、TAOTAOが戦略的提携に関する交渉を開始
Zホールディングス株式会社の100%子会社であるZコーポレーション株式会社と同社の子会社であるTaoTao株式会社、世界最大級の暗号資産取引所を運営するBinance Holdings Limitedは、日本市場における戦略的提携に向けて交渉を開始することに合意したことが、プレスリリースによって明らかになった。
今後3社はBinanceからTAOTAOへの世界最先端の暗号資産取引関連技術の提供や暗号資産取引所運営のサポートなど、日本市場における戦略的なパートナーシップについて協議を進めていく。
具体的に3社は、日本のユーザー向けのトレーディングサービスを開始する準備を開始し、 Binanceの最先端技術のライセンス供与を通じて、ZコーポレーションとTAOTAOは金融庁と協力しながら、日本市場での規制への完全なコンプライアンスを確保していくとのこと。
編集部のコメント
Binanceのアメリカ、インド市場参入の軌跡をたどると、日本市場参入のヒントが見つかると思いますので、振り返ってみます。BAM Trading Servicesのリリース(2019年5月14日)によると、Binanceがアメリカ市場に参加する際に、パートナーシップ企業として選んだのはBAM Trading Servicesでした。
BAM Trading ServicesはアメリカのFinCEN(金融犯罪取締執行ネットワーク)にも登録している企業で、パートナーシップを結ぶことで、規制の壁を乗り越えることができました。そして、BinanceがBAM Trading Servicesに提供したのは、最先端の取引マッチングエンジンとウォレット技術でした。
そして、Binanceのインド市場参入については、インドの取引所WazirXを買収する形で参入しました。 WazirXは技術力が高く、独自の取引マッチングエンジンをBinanceのマッチングエンジンと統合する形で、買収が決まりました。
この2ヶ国への参入の軌跡から、今回の日本参入のニュースを読み解くと、アメリカと参入の形が似ていると考えられます。 つまり、日本の規制に関する枠組みはZコーポレーションとTaoTaoが準備をし、ユーザーがよりメリットを享受できる取引技術はBinanceが提供する座組みになるのではないでしょうか。
今回の発表がそのスタート地点になるでしょう。これから提携の話が進み、具体的にどのような形で、Binanceが日本でサービスを開始していくか、新たな日本法人を設立し日本のライセンスを取得していくのか、既にライセンスを持っているTAOTAOとの関係性を深めサービスを開始していくのか、今後の動きに注目です。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)