カストディ企業Anchorageが新サービス「Anchorage Trading +」開始と「Merkle Data」の買収を発表

カストディ企業Anchorageが新サービス「Anchorage Trading +」開始と「Merkle Data」の買収を発表

カストディ企業Anchorageが新サービス「Anchorage Trading +」開始と「Merkle Data」の買収を、同社のブログで発表した。

「Anchorage Trading +」は機関投資家向けの仮想通貨取引サービス。 同社の顧客は、Anchorageの専門トレーダーを通じて、仮想通貨を売買できるようになる。 顧客からのリクエストを含め、今後も新しいアセットを継続的に追加していく予定だ。この取引サービスは、エージェンシー取引を選択している。エージェンシー取引は、市場を通じて広い範囲で取引され、バイサイドとセルサイド間で設定された手数料のもと取引を行う。

同社がエージェンシーモデルを選択した理由は、多くの仮想通貨関連の資産運用企業がスプレッド価格を明らかにしないプリンシパル取引を選択していて、機関投資家に対するメリットを損ねているからだ。

そして同社がMerkle Dataを買収した理由は、Merkle Dataが業界最高峰の分析ツール、チーム、そして高度なリスクモデリング機能のチームを兼ね備えているからとのこと。

Merkle DataのCEO Louis Baudoin氏は「私たちは、機関投資家にサービスを提供し、クリプト金融システムを強化するというAnnchorageと共有の使命を促進するために力を合わせてきました。 過去18ヶ月間、Merkle Dataは市場で最も高度なリスクおよびデータソリューションを構築しており、Anchorageは最も高度でユーザーフレンドリーな資産の保管ソリューションを構築しています。 そして私たちはこれまでAnchorageのチームと製品を賞賛してきました。Anchorageにジョインできたことを誇りに思います」とコメントしている。

編集部のコメント

多くの仮想通貨関連の資産運用企業がビジネスモデルとして選択しているプリンシパル取引について説明します。
プリンシパル取引は、機関投資家(バイサイド)と資産運用企業(セルサイド)が一対一の相対で実施される取引です。OTC取引と言われているものです。資産運用企業は自身の資産で保持しているポジションや貸借可能なポジションをベースに機関投資家との取引を行います。
プリンシパル取引に掛かるコストは、取引の都度に、機関投資家と資産運用企業との交渉によって決定する事が殆んどです。
資産運用企業は、取引にかかったコストを約定金額に上乗せして、購入価格を算出しています(約定金額-参照価格=購入価格)。このプロセスで課題となるのが、取引にかかったコストの不透明性です。その不透明性を一切なくすために、Anchorageはエージェンシー取引を選択したのです。
あたらしい経済編集部は、取引の透明性を担保することで、取引において、資産運用企業が儲かる仕組みが薄れていき、より機関投資家が参入しやすくなると思います。そのような意味で、Anchorageのこの一手は素晴らしいと考えています。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)

(images:Peshkova)

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

合わせて読みたい記事

【11/18話題】JPYCの累計発行額30億円に、イーロンマスクがDOGEを不正操作したとする訴訟が終了など(音声ニュース)

日本円ステーブルコインJPYC、累計発行額が30億円を突破、イーロンマスクがドージコイン(DOGE)を不正操作したとする訴訟が終了、イーロンマスクが2018年にOpenAIのICO提案を却下、裁判資料にて明らかに、米18州らがSECとゲンスラー委員長、複数名のSEC委員を提訴。暗号資産規制の越権行為で、暗号資産の時価総額、過去最高の3.2兆ドル=コインゲッコー、PhantomのiOS版がアップデートで強制ログアウト、リカバリフレーズのバックアップ促す、ブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」、アプトス・アービトラム・アバランチ・OPメインネット・ポリゴンに展開開始、米資産運用会社VanEck、EUで「スイ(SUI)」のETN提供開始、ワールド(WLD)、ブラジルで「Orb」利用可能に、【取材】イーサリアムネームサービス(ENS)、L2ソリューション「Namechain」発表

Sponsored

ペイパル「PYUSD」がイーサリアムとソラナ間で転送可能に、レイヤーゼロのOFT標準採用で

米決済大手ペイパル(PayPal)が、オムニチェーンプロトコル「レイヤーゼロ(LayerZero)」と統合し、イーサリアム(Ethereum)とソラナ(Solana)間で、独自ステーブルコイン「PayPal USD(PYUSD)」の転送を可能にした。「レイヤーゼロ」の公式ブログより11月12日発表された

ブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」、アプトス・アービトラム・アバランチ・OPメインネット・ポリゴンに展開開始

米資産運用会社ブラックロック(BlackRock)提供のトークン化ファンド「ブラックロック・米ドル機関投資家向けデジタル流動性ファンド(BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund:BUIDL)」が、新たに5つのブロックチェーン上に展開開始したことが11月13日発表された