Visaがユニコーン企業Plaidを53億ドルで買収
VisaがPlaidを53億ドルで買収したことが、1月13日のプレスリリースによって明らかになった 。PlaidはAPIを利用し、スマートフォン向けアプリと銀行口座を安全に接続するサービスを提供している。Plaidにより、生活者は金融サービスをより安全に、はやく受けられるようになっている。
Plaidの顧客には、仮想通貨取引所Coibase、投資アプリのRobinhood、P2P決済アプリVenmo、American Express、Transferwiseなどが存在する。
VisaのCEO兼会長であるAl Kelly氏は「Plaidの買収により、今後Plaidがどのような成長曲線を描くか非常にワクワクしています。Plaidは急速に成長しているフィンテック企業のグローバルリーダーであり、最高の機能と才能を秘めています。この買収は、取引進行中ですが、開発者、金融機関、消費者など様々な人たちに大きな価値を与えるでしょう」とコメントしている。
そして、PlaidのCEO兼共同設立者であるZach Perret氏は「Plaidのミッションは、誰にとってもお金を節約することができる世の中を生み出すことです。私たちはこの挑戦を続けられることを嬉しく思います。そして、Visaは既に数十億の消費者、企業、金融機関から金融エコシステムの重要な部分として信頼されており、VisaとPlaidを組み合わせることで、よりデジタル金融サービスの急速な成長をサポートできるようになるでしょう」とコメントしている。
編集部のコメント
Plaidのサービスは日本でいうとMoney Forwardをイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。アメリカ国内では、4人に1人がPlaidを利用していて、インターネットを利用できる世界の消費者の75%がフィンテックアプリケーションを使用していると、リリースに記載されています。VisaのPlaid買収の話は、アメリカで非常に話題になっていて、様々な金融機関の人がコメントを出しています。
例えば、JPMorgan Chaseの共同社長兼Consumer、Community BankingのCEOであるGordon Smith氏は「VisaのPlaid買収は、消費者に財務データの使用方法のセキュリティと制御を強化する上で重要な進展であると考えています。顧客データを保護しながら、顧客データの共有を安全に支援する仕組みが生み出されることは、JPMorganにとっても極めて重要な流れでした」とプレスリリースで発言しています。
Plaidは金融領域で、生活者にとってユーザビリティが高く、開発者にとってデベロッパーエクスペリエンスが高いサービスを提供してきました。VisaがPlaidの基盤に統合することはFintech市場において意義が高いと、あたらしい経済は考えています。そして、Plaidの顧客には仮想通貨を扱うCoinbase、Gemini、Robinhoodなどが含まれす。この買収により、Visaが仮想通貨とフィアット(法定通貨)が統合された流通・決済ネットワークが誕生させる可能性もあるのではないでしょうか。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
(images:inkoly)