イーサリアムL2「Scroll」がアップグレード実施、EIP-4844に対応

Scrollのアップグレードを実施

イーサリアム(Ethereum)レイヤー2スケーリングソリューション「スクロール(Scroll)」が、「ベルヌーイ(Belnouli)」アップグレードをメインネットで完了した。同プロジェクトの公式ブログより4月29日に発表された。

「ベルヌーイ」アップグレードは、3月13日に大型アップグレード「デンクン(Dencun)」でイーサリアムが実装した提案「EIP-4844」をサポートするためのアップグレードだ。「EIP-4844」は、一定の強制保存期間を経て保存が任意になるデータの塊「ブロブ(Blob)」をサポートし、L2がデータの格納に利用できる低価格なデータ領域を組み込む提案だ。

「スクロール」は今回のアップグレードを経て「ブロブ」の使用をサポートし、トランザクション料金が大幅に削減されている。

「スクロール」は、2021年に研究および開発が開始されたイーサリアムのL2ブロックチェーン。「ゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zkp)」を活用した低コストかつ高速で、EVM(イーサリアムバーチャルマシン)と互換性のある仮想マシン「zkEVM」を構築し、導入している。

昨年10月にメインネットをローンチし、現在では多くのプロジェクトがアプリケーションを提供している。

先日独自トークンのエアドロップにつながることが予想されるロイヤリティプログラムの開始が発表された。このプログラムでは「スクロール」エコシステム内のプロジェクトを利用することでロイヤリティが得られる。

現在このプログラムは初期段階にあり、ネイティブブリッジやブリッジプロトコルのレイヤーゼロ(LayerZero)、リキッドステーキングプロトコルのステークストーン(StakeStone)を用いてブリッジを行うことでプログラムに参加可能だ。

こういった流れもあり、L2ネットワークのTVL(預かり総資産額)が減少傾向にある現状でも、「スクロール」はTVLを増加させている。

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参考:スクロールブログ
images:iStocks/Ket4up

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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