欧州中央銀行(ECB)ラガルド総裁が語るデジタル通貨のメリットと課題
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁がステーブルコイン発行に関する見解を、フランスのビジネスメディア「Challenges」に対して答えた。
同メディアは「ECBがステーブルコインを発行することは、正しい目標だと考えていますか?」とラガルド総裁に対して質問。
それに対しラガルド総裁は「ECBは引き続き中央銀行のデジタル通貨(CBDC)を発行することによるコスト削減などのメリットを評価しています。時流の流れで、若者はデジタル決済を好んでいます。CBDCを発行することで、若者の支払いニーズに合わせながら、現金の流通が減ったとしても、中央銀行が発行する通貨を使ってもらえるようになります。今後とも、各国の中央銀行と連携してリサーチしていきます」とコメントしている。
またCBDC発行の課題として、ラガルド氏は民間企業主導のペイメント領域の事業推進をいかに妨げずに発行しきれるかを挙げている。
編集部のコメント
2018年にECBは欧州全域の即時決済と中央銀行が発行した通貨での直接決済を提供するシステムを開発し、提供を開始しました。そして、銀行は数秒、1日24時間、1年365日、ヨーロッパ全体で銀行間の支払いを処理することができるようになりました。これにより、サプライチェーンプロセスを最適化しようとする企業のニーズに答えたことになります。ECBはデジタル通貨周辺のイノベーションを当事者として強くすすめていきたいとラガルド総裁は伝えています。
日本でも、2019年はキャッシュレス元年でした。民間企業のペイメント領域促進と中央銀行のペイメント領域促進の動きが上手に連携して動き続けて欲しいと、あたらしい経済編集部は考えます。そして私たちも消費者もデータをどのエンティティに管理してもらうのがベストなのかしっかりと考える必要があると考えています。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)