登録事業者として復帰目指す
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、200万ドル(約3億円)の違約金を支払い、インドに再参入しようとしているようだ。インドの現地紙「エコノミックタイムズ(The Economic Times)」が情報筋の話として4月18日報じた。
報道によればバイナンスは、インド財務省の金融情報機関(FIU IND)に登録された事業体として復帰する予定だという。なおバイナンスは復帰のために、現地のマネーロンダリングや課税に関する法律を含む、適用されるすべての規制を遵守するために取り組んでいるとのことだ。
なおFIUは、マネーロンダリングやテロ資金に係る資金情報を一元的に受理・分析し、捜査機関等に提供する単一の政府機関だ。
インドでは、2002年マネーロンダリング防止法(PML法)の規定により、暗号・デジタル資産サービスプロバイダー(VDA SP)は2023年3月にマネーロンダリング防止/テロ資金供与対策(AML-CFT)の枠組みに組み込まれている。
これによりインド国内(オフショアおよびオンショア)で活動し、デジタル資産と法定通貨との交換、デジタル資産の移転、デジタル資産の保管または管理、デジタル資産の管理を可能にする手段などに従事するVDA SPは、報告機関としてFIU INDに登録し、一連の義務を遵守しなければならない。
昨年の年末にFIUは、インドにおいてバイナンスを含む9つの海外暗号資産取引所へのアクセスを遮断するよう電子情報技術省へ要請した。これら暗号資産取引所がFIUに登録していなかったためだ。
対象となった取引所は、バイナンス(Binance)、クーコイン(Kucoin)、フォビ(Huobi)、クラーケン(Kraken)、ゲート(Gate.io)、ビットトレックス(Bittrex)、ビットスタンプ(Bitstamp)、MEXCグローバル(MEXC Global)、ビットフィネックス(Bitfinex)であった。
エコノミック・タイムズ紙によれば、アクセスが遮断される前のバイナンスは、インドの投資家の暗号資産保有額の約90%を占めていたという。バイナンスが市場を支配していたのは、現地の税法を遵守していなかったためであり、ユーザーは源泉徴収された1%の税金を支払うことなく取引できたと同紙は伝えている。
関連ニュース
- インド財務省、バイナンスやクラーケンなど9取引所のアクセス遮断へ
- インド政府、バイナンスが連携する取引所の資産凍結。マネロンの疑いで
- ワールドコイン(WLD)がインド、ブラジル、フランスでの「Orb」検証サービス停止=報道
- ジェミナイがインド開発センター強化へ、今後2年で約36億円の投資も
- フィリピンSECがバイナンスの未登録運営を警告、アクセス遮断へ
参考:The Economic Times
images:iStocks/Abscent84・Alex-Sholom