オフチェーンラボ、新たな不正行為証明「Arbitrum BOLD」をテストネットローンチ

アービトラムがArbitrum BOLDをテストネットローンチ

イーサリアム(Ethereum)のレイヤー2スケーリングソリューション「アービトラム(Arbitrum)」を開発する「オフチェーンラボ(Offchain Labs)」が、新たな不正行為証明プロトコル「BOLD:Bounded Liquidity Delay」をテストネットローンチしたことを4月16日に発表した。

アービトラムは、「オプティミスティックロールアップ(Optimistic Rollups)」を採用したL2ブロックチェーンだ。「オプティミスティックロールアップ」は計算と状態の保存をオフチェーンで行うことでスケーリングの問題を解決する。

この処理の際、オフチェーンで処理されたトランザクションが有効であることを前提とし、トランザクションの有効性証明は公開されていない(オプティミスティック=楽観的の名称の由来)。そのため不正なトランザクションが含まれている場合、ユーザーが不正証明を行い、異議申し立てを行うことで再度計算を行い状態の更新を実行する仕組みを導入することが、この処理には求められる。

しかし、異議申し立てを不必要に行うスパムへの対処や開発が難しいという理由からこの仕組みを導入できていない「オプティミスティックロールアップ」採用ブロックチェーンも少なくない。

アービトラムではこの仕組みをいち早く導入しており、「オフチェーンラボ」によってこれまでもいくつかの不正証明プロトコルの開発が進められていた。

ただしこれまでのアービトラムの異議申し立ては、すべてのユーザーが実行できるわけではなく、アービトラムの分散型自律組織(DAO)によって認められたユーザーのみが実行できるホワイトリスト制を採用していた。

今回テストネットローンチが発表された「BOLD」は、このホワイトリスト制を廃止し、誰でも異議申し立てを実行可能にする「パーミッションレス検証」が主な機能とのことだ。これによりネットワークのセキュリティが向上するだけでなく、エコシステムが更に分散化されることにも期待されている。

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参考:アービトラムブログ
images:iStock/StationaryTraveller・iam2mai

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
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