川崎重工とSettleMintがブロックチェーン活用の実証実験
川崎重工とセトルミント(SettleMint)がブロックチェーンを活用した実証実験を完了したことが4月12日発表された。
なお同実証実験には、セトルミント提供のブロックチェーン開発プラットフォーム「Blockchain Transformation Platform」が使われた。
発表によると川崎重工は2030年頃を目標に、非改ざん性を証明できるデータでの品質保証・品質保証体制の整備に向けた技術研究を進めているとのこと。同社は同体制整備にあたって採用する技術のひとつとして、ブロックチェーンを有力視しているとのこと。
今回の実証実験で両社は、ブロックチェーンのものづくりへの適用を想定して、段階的にブロックチェーン適用したエンドツーエンドの実装サービスを検証したという。
具体的には、製品の製造過程で発生するデータのハッシュ値およびそのデータへの参照子をブロックチェーンに記録するための仕組みと、改ざんされたデータのハッシュ値をブロックチェーン上に記録されているハッシュ値と、適合判定するアプリケーションも構築したとのこと。
これにより部品製造の品質管理において、高速かつ効果的な実稼働が確認できたとのことだ。
引き続き両社はパートナーシップを強化し、今後の取り組みを推進する予定とした。
セトルミントは今年2月、「Blockchain Transformation Platform」の「Polygon zkEVM」サポートを開始している。なお「Polygon zkEVM」は、ポリゴンラボ(Polygon Labs)提供のイーサリアム(Ethereum)レイヤー2ソリューションだ。
なおセトルミントとポリゴンラボは、ソニー銀行が4月8日に検討開始を発表した「ステーブルコイン発行を目指した実証実験」について、共同で実施することが決定している。
ソニー銀行がステーブルコインの発行に向けた法的整理や要件定義を実施し、ブロックチェーンにはポリゴンラボ開発の「Polygon PoS」を採用。またブロックチェーン関連の多様な開発実績を持つセトルミントが実証実験の基盤の開発・構築を担うとのことだ。
なおベルギー拠点のセトルミントは昨年8月、日本にSettleMint Japan合同会社(セトルミントジャパン)を設立し、日本市場に向けた本格展開を開始している。
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参考:セトルミント
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