香港で初の「ビットコイン現物ETF」が4月に承認か
香港にてビットコイン現物ETF(上場投資信託)が今月中に開始される可能性があり、同ETFの承認が来週に発表される可能性が高いと、この件に詳しい2名の関係者が語った。
この件が実現すれば、香港がアジアで初めてビットコイン現物ETFを提供する都市となる。また業界の予想では、今年中に同ETFを開始するとみられていたが、それよりもはるかに速いスケジュールとなる。
関係者の1人によると、規制当局は承認プロセスを早めたとのことだ。
新型コロナウィルス感染症によるパンデミック時の規制、中国経済の低迷、米中間の対立により、世界的な金融ハブとしての輝きを失った香港当局は、金融取引における香港の魅力を向上させるため、できる限りのことを行おうと躍起になっている。
香港を拠点とする暗号資産(仮想通貨)運用会社メタルファ(Metalpha)のCEOであるエイドリアン・ワン(Adrian Wang)氏は、「香港でのビットコイン現物ETFの重要性は、新たな世界的投資を呼び込むだけでなく、暗号資産の採用を新たな高みに押し上げる可能性があるため、広範囲に及ぶ」と述べている。
ビットメックス・リサーチ(BitMEX Research)のデータによると、米国では1月にビットコインの現物価格に連動する米国初の上場投資信託(ETF)が立ち上がり、約120億ドルの純流入を集めた。
ビットコインは今年60%以上上昇し、3月には史上最高値となる7万3803ドルを記録した。 ちなみに10日には約69,000ドルで取引されていた。
2名の関係筋によると、中国本土と香港の資産運用会社の少なくとも4社が同ETFの立ち上げ申請を提出したという。
その2人と第3の関係者によると、チャイナ・アセット・マネジメント(China Asset Management)、ハーベスト・ファンド・マネジメント(Harvest Fund Management)、ボセラ・アセット・マネジメント(Bosera Asset Management)の香港部門も同ETFの申請者の中に含まれているという。
なお情報筋はメディアに話す権限がなく、身元を明かすことを拒否した。
また香港証券先物委員会(SFC)と前述した中国企業3社は、この件についてコメントを拒否した。
SFCのウェブサイトによると、チャイナ・アセット・マネジメントとハーベスト・ファンド・マネジメントの香港部門は、暗号資産に10%以上投資するポートフォリオを管理する承認を今月取得した。
両社の親会社は中国最大手の投資信託会社の一つで、それぞれの資産は1兆元(1380億ドル)以上を管理している。
中国本土では暗号資産取引が禁止されているが、中国のオフショア金融機関は香港での暗号資産開発への参加に熱心だ。
香港は2022年末に暗号資産先物ETFを初めて承認した。最大のETFであるCSOPビットコイン先物ETF(CSOP Bitcoin Futures ETF)は、運用資産が9月以来7倍に膨れ上がり、約1億2000万ドルとなった。
また香港を拠点とするバリュー・パートナーズ(Value Partners)も、ビットコインの現物ETFの立ち上げを検討しているという。申請書を提出したかどうかは明らかにしていない。
(1ドル=7.2305元)
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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Hong Kong set to approve its first spot bitcoin ETFs in April, sources say
(Reporting by Summer Zhen in Hong Kong, Jason Xue and Samuel Shen in Shanghai; Editing by Edwina Gibbs)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
images:Reuters