コインベース最高法務責任者、イーサリアム(ETH)が証券ではなくコモディティの理由説く

ETHは証券ではなく商品

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所のコインベース(Coinbase)最高法務責任者のポール・グレワル(Paul Grewal)氏が、米証券取引委員会(SEC)はイーサリアム(ETH)のETP申請を却下する正当な理由はないと3月21日自身のXアカウントにて説明している。

グレワル氏は、イーサリアムについての複数の「基本的な事実」をもとに、同資産が証券ではない理由を説明している。

まず同氏はETHはセキュリティ(証券)ではなくコモディティ(商品)だと述べ、SECは長年この立場をとってきたと主張した。

SECの元企業金融部門のディレクターであったウィリアム・ヒンマン(William Hinman)氏が行ったスピーチでも、ETHは証券ではないと述べているとグレワル氏は指摘。

また同氏は、SECのゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長の過去の証言にも焦点を当てた。2018年にマサチューセッツ工科大学(MIT)で教鞭を執っていたゲンスラー委員長は、「イーサ(ETH)は証券ではない」と発言している。

さらにグレワル氏は、最近のリップル裁判においてSECの裁判弁護士がETHとBTCを比較し続けていたことも指摘。

また商品先物取引委員会(CFTC)と連邦裁判所は一貫してETHを商品だと確定しており、CFTCが規制する先物取引所でETHの先物が2018年に取引開始となった事実を挙げている。

またグレワル氏はハウィー判例法(Howey)がETHのステータスを決定するものではなく、ETHのような事業に関する継続的な契約上の義務を伴わないデジタル資産は、「投資契約」でもなければ「証券」でもないと指摘した。

仮にハウィー判例法を当てはめたとしても、ETHはそのテストに完全に不適格であり、今回のマージの件でこの結論が変わることはないとグレワル氏は述べている。

なおハウィー判例法は、1946年に起きたSEC対W. J. Howey社事件の際に裁判所が「投資契約」の判断基準として定めたもの。後年「ハウィーテスト(Howey test)」と呼ばれるようになった。「ハウィーテスト」は、米国において特定の取引が、証券取引の定義の一つである「投資契約」に該当するかどうかを判定するテストである。

これら複数の事実から、グレワル氏は、「SECにはETHのETP申請を却下する正当な理由はない」と主張している。

またグレワル氏は、「SECが繰り返し承認してきたETHの長年確立された規制上のステータスに疑問を呈することで、SECがETHを捏造しようとしないことを望む」とし、「それは法の仕組みに反するし、アメリカ人はもっと恩恵を受けるべきだ」と結んでいる。

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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