BSCがBlobトランザクションを実装へ
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)提供のBNBスマートチェーン(BSC:BNB Smart Chain)が、「BEP-336」を実装するアップグレード計画を3月13日に発表した。発表によるとテストネット実装は4月で、メインネット実装は6月に予定しているという。
「BEP-336」は、先日実施されたイーサリアム(Ethereum)の大型アップグレード「デンクン(Dencun)」で実装された提案「EIP-4844」を基にして定義されたBSC向けの提案だ。「EIP-4844」と同じくネットワーク上のトランザクション検証の効率化が目的となっている。
具体的に「BEP-336」では、BSCに「ブロブキャリイングトランザクション(BlobTx:Blob-Carrying Transactions)」を導入する提案となっている。 「ブロブキャリイングトランザクション」は、一時的に利用可能であり高速で検証可能なメモリ領域を利用したトランザクション形式。一定の強制保存期間を経て保存が任意になるデータの塊である「ブロブ(Blob)」が活用されている。
同提案が実装されることにより、高速な検証が可能となるため、ガス効率が向上しロールアップを利用したL2ブロックチェーンでガス代が安くなるなどのメリットがある。
これによりBSC上に構築された「opBNB」でのストレージコストが削減されることから、ユーザーが支払うガス代が安くなることにつながるとも語られている。
なお「opBNB」は、オープンソースのブロックチェーン開発ソフトウェア「OPスタック(OP Stack)」を採用したイーサリアム仮想マシン(EVM)互換のL2ブロックチェーンだ。
「BNBチェーン(BNB chain)」のブログによると、BSCが実装する同機能はイーサリアムが実装したものをそのまま真似したわけではなく、独自に最適化した仕組みを採用しているとのことだ。
「BNBチェーン」は、「BNBビーコンチェーン」と「BNBスマートチェーン(BSC)」と呼ばれる2つのブロックチェーンで構成されており、バイナンススマートチェーン(Binance Smart Chain)として稼働していたEVM互換のブロックチェーンを改名したものである。
「BNBチェーン」は先日、BNBスマートチェーン:BNB Smart Chain(BSC)上で費用対効果の高い専用のロールアップを構築するために必要なインフラをDapps(分散型アプリケーション)プロジェクトに提供するロールアップ・アズ・ア・サービス:Rollup-as-a-Service(RaaS)」ソリューションを提供開始している。
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参考:BNBチェーンブログ
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