2025年の規制見直しに向けてか
インドネシアの金融サービス規制当局である金融サービス機構(OJK)が、金融分野における技術革新を目指すための新規制を発表した。同規則では暗号資産(仮想通貨)を含むデジタル資産に関する活動も対象となるようだ。米コインデスクが3月13日報じている。
同規則は銀行や保険会社、その他金融業界関係者らが新技術の可能性を探る際の手引書のようなもので、金融セクターにおけるイノベーションが、金融商品やサービス、企業のデジタル業務に与える影響について説明されているという。
また同規則には、ユーザ保護や新技術に関するサンドボックスの設置、テスト結果の報告に関するガイドラインも記されている。
なおサンドボックスとは、新しいビジネスモデルやテクノロジーをテストするための安全な枠組みのことだ。
同規則には詳細は記されていないものの、金融分野における暗号資産の発展を管理するための段階が設定されている。暗号資産に関する監督権が2025年1月までにOJKに移管されることが強調されており、同新規則はそれに向けた準備の一環とみられる。
インドネシアでは2025年に規制の見直しが予定されているため、暗号資産の規制、監督、監視は貿易省商品先物取引監督庁(Bappebti:バペブティ)からOJKに移管されることになっており、約2年弱の移行期間が設けられている。これは暗号資産が証券に再分類される可能性があることを示唆している。
OJKは、バペブティおよびインドネシア銀行と協力し、デジタル金融資産監督の移行を管理する移行チームを設立している。
なおインドネシアは決済手段として暗号資産の使用を禁止しているが、デジタル資産への投資は認めている。
インドネシアの商品規制当局は昨年7月、国営のデジタル資産取引所で決済機関(クリアリングハウス)のコモディティ・フューチャー・エクスチェンジ(Commodity Future Exchange:CFX)の設立を発表しており、国内で運営されている暗号資産取引所は、今年8月17日までにCFXへの登録を完了させ、ライセンスを取得しなければ、インドネシアでの営業はできなくなると伝えられている。