TISがUmi Labs Japanと協業
TISインテックグループのTISが、Umi Labs Japan(ウミラボジャパン)との協業開始を3月14日発表した。
この協業は、「ゼロ知識証明:ZKP」、「DID(分散型ID)/VC(検証可能な証明書)/VP(デジタル証明書一式)」、「OAuth(複数のWebサービスを連携して動作させるために使われる仕組み)」を活用したweb2技術とweb3技術の融合で社会実装を目指すものになるとのこと。TISが企画・設計・プロデュースを担当し、Umi Labs Japanが技術研究開発を担うとのことだ。
Umi Labs Japanは、デジタルアセットの取引をサポートするユーザーコミュニティツール「Bloom」の開発を行う企業。同プロダクトは、DID/VC、ZKP、OTP(ワンタイムパスワード)を活用しているという。
今回両社は、GoogleアカウントのみでSui Network(スイネットワーク)上にログインできるzkLoginにより、従来よりも簡単にPOAP発行できるソリューションを共同で企画・開発したとのこと。なお同ソリューションでは、ノンカストディアルウォレットの事前インストールは不要とのこと。
なおzkLoginは、web3ログインにおいて、ユーザーがGoogleなどの既存のWeb認証情報を使用してサインインできるようになる方法だ。
web3やNFT活用を検討する企業の担当者にとって、NFTの発行・配布スキームの構築に対するハードルや、ユーザー自身によるノンカストディアルウォレットのインストールや秘密鍵の自己管理が必要な点など、ユーザーエクスペリエンス上での煩雑な課題があるという。
今回のPOAP発行ソリューションにより、企業の担当者によるPOAP発行管理が容易になり、ユーザーはウォレットやスマホアプリをインストールすることなく高速でPOAPを発行・取得できるようになったとのこと。
企業は同ソリューションにより、イベントの参加者に対してPOAPや限定NFTを発行し、参加者の体験価値を向上させることができるほか、単にPOAPやNFTを発行するだけでなく、過去の発行状況を分析することで、参加者との交流や商品企画など様々な場面で同ソリューションは活用可能とのこと。
具体的に同ソリューションでは、企業担当者がプログラミング知識を必要とせずに簡単にPOAP発行用URL/QRコードを作成可能とのこと。また参加者は、スマートフォンでQRコードを読み込みGoogleアカウントでログインすることで、簡単かつ高速にPOAPを発行・取得できるという。
さらに同ソリューションは、個人情報の取得やアプリのインストール、ノンカストディアルウォレットや秘密鍵管理も不要とし、これまでのweb3での課題を改善しているとのことだ。
TISはPOAPやNFTの配布にとどまらず、経営課題の解決に活用すべくSui Networkのブロックチェーンデータのデータ分析についても研究を開始しているとのこと。これにより、web3によって新たに生まれた市場に対するマーケティング活用など、ユーザーや企業の利便性向上に取り組んでいくとのことだ。
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参考:TIS
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