約40億円調達
モジュラーブロックチェーンプロジェクトのアベイル(Avail)が、ピーター・ティール(Peter Thiel)氏設立のベンチャーキャピタル(VC)であるファウンダーズファンド(Founders Fund)と暗号資産(仮想通貨)投資会社ドラゴンフライ・キャピタル(Dragonfly Capital)が共同主導したシード資金調達ラウンドで2700万ドル(約40億円)を調達した。アベイルが2月26日発表した。
発表によれば、同ラウンドにはセブンエックスベンチャーズ(SevenX Ventures)、フィグメントキャピタル(Figment Capital)、ノマドキャピタル(Nomad Capital)、その他複数のエンジェル投資家が参加したという。
アベイルは2023年3月にポリゴン(Polygon)から独立したプロジェクトで、ポリゴンの共同設立者である アヌラグ・アルジュン(Anurag Arjun)氏が率いている。
モジュール型のブロックチェーン・プロジェクトであるアベイルは、アプリ固有のものを含む多数のロールアップがブロックチェーンのスケーラビリティを高めると考え、ロールアップの合理化を目的としている。
なおロールアップとは、元となるブロックチェーンのセキュリティなどを活用しながら、ガス代(ネットワーク手数料)やネットワークの混雑解消を図るスケーリングソリューションである。
同シードラウンドで得た資金は、アベイル・データ・アベイラビリティ・ソリューション(Avail DA)、ネクサス(Nexus)、フュージョンセキュリティ(Fusion Security)というアベイルの3つのコア製品の開発に充てられるとのことだ。
アベイルDAでは、スケーラブルでセキュアなデータ可用性ブロブスペースを確保することで、ロールアップのスケーラビリティを解決するという。
ネクサスは、アベイルDAを信頼の根として活用し、アベイルエコシステムの内外の幅広いロールアップを統合する検証ハブとして機能する。集約された証明は、その後イーサリアムにも送信される。
フュージョンセキュリティは、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)などの暗号資産を活用し、アベイルエコシステムのセキュリティに貢献するものだという。
なお「データ可用性(DA)」とは、処理中のブロックに含まれるデータを閲覧可能にする機能のこと。これによりユーザーがコンセンサスに達していない処理を正当であるか検証でき、無効なトランザクションを含んだブロックがファイナリティに達してしまうことを防止できる。
The day is here! We’re unfolding the cards!
— Avail | ✈️ ETH Denver (@AvailProject) February 26, 2024
Avail raises $27m, led by @foundersfund and @dragonfly_xyz to accelerate the unification of web3!
With this, we’ll build the Avail trinity – a three-phase roadmap aimed at unifying multiple ecosystems in web3.
Consisting:
• Avail… pic.twitter.com/DbmuNdoPKz
関連ニュース
- ピーターティールのFounders Fund、強気相場前に約300億円をビットコインとイーサリアムに投資か
- ドラゴンフライら、ETHステーブルコイン開発企業Ethenaに約8.3億円のシードラウンドを支援
- ドラゴンフライキャピタル、約840億円規模web3ファンド設立
- ニア財団、データ可用性ソリューション「NEAR DA」ローンチ
- データ可用性ネットワーク「Celestia」、メインネットローンチ
参考:発表
images:Reuters