意欲的な姿勢示す
欧州中央銀行(ECB)のピエロ・チポローネ(Piero Cipollone)理事は、欧州議会で中央銀行デジタル通貨(CBDC)「デジタル・ユーロ」の利点を強調し、このプロジェクトに意欲的な取り組みを求めた。
チポローネ理事は、2月14日の欧州議会委員会の公聴会にて、「これは欧州共同プロジェクトだ。それは主に、ユーロ圏のあらゆる場所で公的な決済手段を利用できるようにすることであり、たとえ決済取引のデジタル化が進んだとしても同様である。また、より脆弱な世界経済環境の中で、通貨圏の集団的な回復力と自律性を強化することも極めて重要だ」と述べ、「だからこそ、意欲的なペースが非常に重要なのだ」と続けた。
2023年6月、欧州委員会はデジタルユーロの立法案を発表。ベルギーのブリュッセルの当局は、早ければ2028年にユーロが流通することを想定していた。
欧州委員会の立法案について、チポローネ理事は、中央銀行の資金の役割を維持することは、金融政策メカニズムの保護や金融の安定といった他の目的を犠牲にしてはならないと指摘した。
ECB理事会は、対応する法律が採択されて初めて、デジタルユーロの発行について決定を下す予定であり、「これが、デジタルユーロが法定通貨として導入されるための枠組みである」と付け加えた。
ECBは昨年秋に、デジタルユーロに向けた準備段階に移行する許可を出した。その目的は、規制を最終決定し、プラットフォームとインフラ整備のためのプロバイダーを選定することである。11月に開始された準備段階は当初2年間実施される。デジタルマネーは、ペイパル(PayPal)やアップルペイ(Apple Pay)といった米国企業や、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)といった暗号資産の台頭による、デジタル決済取引の競争激化に対抗することを目的としている。
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Bericht von Reinhard Becker, redigiert von Ralf Banser
翻訳:髙橋知里
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
images:Reuters