ジェネシスがSECとの訴訟和解
暗号資産(仮想通貨)レンディング業者ジェネシスグローバル(Genesis Global )は、同社の廃止された「ジェミナイ・アーン・レンディング・プログラム(Gemini Earn lending program)に関する米SEC(証券取引委員会)との訴訟を和解し、2100万ドル(約30.7億円)の罰金について合意した。この金額は、ジェネシスが顧客へ全額返済したのちに支払われる。
この契約によりジェネシスは、同社が違法に有価証券を販売していると非難していたSECの訴訟から身を守るための費用とリスクを回避できる。1月31日の夕方にマンハッタンの連邦破産裁判所へ提出された書類によると、この和解により、ジェネシスは顧客やその他の債権者への返済に専念できるようになる。
ジェネシスは和解契約において、不正行為を認めることも否定することもしなかった。
SECは、ジェネシスが2023年1月に破産法の適用を申請する前の週、ジェネシスと暗号資産取引所ジェミナイトラスト(Gemini Trust)が共同で管理する暗号資産貸し出しプログラム「ジェミニ・アーン」を通じて、数十万人の投資家に違法に証券を販売したとしてジェネシスを訴えた。
両社は2020年12月に提携し、ジェミナイの顧客が利息を得る代わりにジェネシスに暗号資産を融資できるようにし、最終的に数十億ドル相当の暗号資産を投資家から集めた。
このアーンプログラムは2023年11月のクリプト(ブロックチェーン・暗号資産の総称)市場の暴落で中止され、その失敗がジェネシスとジェミナイ、ジェネシスの親会社であるデジタル・カレンシー・グループ(Digital Currency Group)の間で訴訟に発展した。
ジェミナイは、メタプラットフォームズ(Meta Platforms)のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)CEOとの法廷闘争で知られるウィンクルボス(Winklevoss)兄弟が経営しており、両社の暗号資産融資パートナーシップの失敗をめぐってDCGを訴えたことがある。
SECの提訴に加え、3社はニューヨーク州司法長官レティシア・ジェイムズ(Letitia James)による同様の強制措置に直面しており、3社すべてをニューヨークの金融投資業界から締め出そうとしている。
ジェネシスは、顧客が「ジェミニ・アーン」に預けた通貨の種類に応じて、現金または暗号資産での返済を目指す清算計画を進めている。ジェネシスは2月14日に破産計画の承認を裁判所に求める予定だ。
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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Genesis reaches $21 million SEC settlement in bankruptcy wind-down
(Reporting by Dietrich Knauth, Editing by Alexia Garamfalvi and Diane Craft)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
images:Reuters