アリペイのアントフィナンシャルが独自ブロックチェーンテスト開始、米国でフェイスブックペイ提供開始発表、バイナンスチェーン対応スマートフォンなどのブロックチェーン・仮想通貨ニュース解説

ラジオ「あたらしい経済ニュース」では、ブロックチェーン・仮想通貨・トークンエコノミーについての最新ニュースの解説を編集部メンバーが平日毎日ラジオ音声でお届けします。またニュースの要点をまとめたトピックスも掲載していますので、ぜひとも1日のニュースのチェックにご活用ください(ラジオの再生はページ下部参照)。

アリペイ運営のアントフィナンシャルが独自ブロックチェーン実用に向けたテスト開始

・アリババの子会社でアリペイを運営するアントフィナンシャルが独自ブロックチェーンのテストを開始したことが、企業ブロックチェーン専門メディアLedger Insightsにより明らかになった

・このプラットフォームは「Ant Blockchain Open Alliance」という名称で、3カ月のテスト運用を行なったのち、2020年2月のローンチを予定 ・アントフィナンシャルのシニアディレクターのJieli(ジエリ)氏は、先週末に行われたUnbounded Blockchain Conference(アンバウンディッド ブロックチェーン カンファレンス)2019で登壇して、香港からフィリピンへの送金や江省台州での医療費の合理化など、アントフィナンシャルのブロックチェーンプロジェクトの概要を説明した

・アントフィナンシャルのブロックチェーンはアリババクラウドを基盤として構築され、小規模から中規模ビジネスをサポートしていくことを目的としている

・このブロックチェーンは、アリババクラウド上で構築されていて、他のクラウドサービスやブロックチェーンとの互換性もある。互換性のあるブロックチェーンはエンタープライズイーサリアム、ハイパーレッジャーファブリック、クォーラム、その他2つの異なるオープンソースシステムとなっている

・このような互換性を生み出せたのは、このブロックチェーンサービスにアントフィナンシャルの独自テクノロジーがモジュール化(カプセル化)されているから

・そして、Jieli(ジエリ)氏は「パブリックブロックチェーンのスケーラビリティの課題などが解決されたとしても、コンプライアンスとセキュリティの課題は解決に程遠いと考えています。エンタープライズブロックチェーンは比較的コストが高く、ユースケースが狭いです。つまり、中小企業やフリーランスの開発者がブロックチェーン基盤のサービスを利用したり、開発する機会が少ないです」など、現状の課題をイベントで指摘していた

コインチェックがステラの取り扱いを開始し、対象者にステラ配布について発表

・コインチェック株式会社が、11月12日に同社運営の仮想通貨取引所CoincheckでのStellar Lumens(XLM)の取扱い開始にともない、同取引所の対象ユーザーに対しXLMを付与することを発表

・付与が予定されているXLMは、XLMの発行元であるStellar Development Foundationが2017年6月に実施したエアドロップにて、コインチェック社が配布を受けた約28,000,000XLM

・付与対象者については、エアドロップされた配布対象時点(2017年06月26日午前9時12分01秒、ビットコインのブロック高 472889)で、Coincheckの「取引アカウント」「貸仮想通貨アカウント」「決済アカウント」においてビットコインを保有しており、かつ付与実施時点で当該アカウントが通常通り利用できる状態となっているユーザーとのこと

・付与額は、約28,000,000XLMから手数料を差し引いた後の数量を、付与対象者の配布対象時点のビットコイン保有量に応じて付与がされるとのこと

・付与方法については、ユーザーのCoincheck「取引アカウント」「貸仮想通貨アカウント」「決済アカウント」にXLMが付与されるとのこと

・なお付与実施日については、2020年中の付与を予定しているとのことで、付与の実施後に改めて同社公式SNS等で告知するとのこと

フェイスブックペイの提供開始を発表

・フェイスブックが決済サービス「フェイスブックペイ」の提供を開始すると発表

・スマートフォンの生体認証や暗証番号など、セキュリティー上の設定を備えた上で、今後、インスタグラム、ワッツアップ、メッセンジャーなどアプリを終了することなくフェイスブックペイが利用可能になる。メッセンジャーに関して、米国内で今週中に利用可能となる

・フェイスブックは、フェイスブックペイでユーザーの決済方法や日時、決済額などの情報を収集し、プラットフォーム内のターゲット広告に活用する

LayerXのリードリサーチャー中村龍矢氏の提案が、「Ethereum2.0」 の仕様に採用

・LayerXのリードリサーチャー中村龍矢氏の提案が「Ethereum2.0」 の仕様に採用されたことが明らかになった

・中村龍矢氏は、実装されるコンセンサスアルゴリズムの候補の1つであるCasper FFGと、フォーク選択ルールのLMD GHOSTを分析した結果、「デコイフリップフロップ攻撃」と「バウンス攻撃」の可能性を指摘した。そして、その解決策を提案し、いずれもEthereum2.0のフェーズ0の仕様として組み込まれた

・Ethereumは現行のバージョンを1.xとし、大型バージョンアップとなるEthereum 2.0を2020年初頭から順次リリースする予定。その最初のバージョンがフェーズ0である

みんな電力がブロックチェーンを活用した電力マッチングサービスを開始

・みんな電力株式会社が、ブロックチェーンを活用した電気のマッチングサービス「顔の見えるPtoP卒FITプラン」を、11月1日より開始したことを発表

・「顔の見えるPtoP卒FITプラン」は、ブロックチェーンを活用した独自の電力流通プラットフォーム「ENECTION2.0」を使用し、個人が自宅で発電した「卒FITでんき」を企業とマッチングさせ供給できるサービスとのこと

・「卒FITでんき」とは、国による固定価格買取制度(FIT制度)による買取期間が満了した家庭用太陽光のこと

・卒FITでんきの供給先には、RE100企業など再エネ利用に積極的な企業や、事業や商品が好きな企業を選ぶことが可能で、売電額に応じて企業・団体から返礼品を受け取ることもできることが特徴とのこと

・現在、「顔の見えるPtoP卒FITプラン」への参加企業・団体は、株式会社TBSテレビ、株式会社TBSラジオ、株式会社丸井グループ、三菱自動車工業株式会社、パタゴニア日本支社、公益財団法人横浜YMCA、社会福祉法人福祉楽団、大地を守る会、ステップアップ塾の9社で、今後随時追加予定とのこと

・なお電力の買取価格は、大手電力会社と同額に設定しており、また先着500件まではさらに「+5円」を上乗せした価格になっているとのこと

バイナンスがHTCとBinanceチェーンとDEXサポートを内蔵した限定版スマートフォンを発表

・仮想通貨取引所バイナンスと台湾電子機器メーカーHTCが、Binance Chain対応スマートフォン「EXODUS 1-Binance Edition」を発表

・「EXODUS 1-Binance Edition」は、EXODUS 1のネイティブ仮想通貨ウォレットアプリZion VaultとBinance DEXが紐づくことで、スマートフォンから直接Binance DEXに取引をすることができるとのこと

・販売価格は、599ドル(約6万5000円)か889SGDもしくは同価格の仮想通貨にて販売予定とのこと。また購入者の先着500名には、100ドル相当のBNB(バイナンスコイン)が配布されるとのこと

・なお、購入時期については「まもなく」となっているが、販売予定のHTC EXODUSの公式Webサイトに現在アクセスができず、販売状況は不明

UPSとHerdXが提携し、日本へ輸出する牛肉をブロックチェーントレーサビリティシステムで追跡

・国際物流企業UPSとAgritech(アグリテック)企業のHerdXが、グローバルロジスティクパートナシップを締結したことを発表

・同発表は、米国大使館が支援するHerdXの主催パーティーにて行われた。なお会場はECN ホスピタリティ株式会社が運営する東京六本木のステーキハウスRuby Jack’sだった

・同会場で提供された牛肉はUPSより運ばれ、HerdXの提供するブロックチェーンシステムによりアメリカカンザスの農場Creekstone Farmsから日本のRuby Jack’sまで追跡され、空輸中にもUPSがセンサーによって温度の監視を行った

・同パーティーに参加した客は提供された牛肉の来歴をQRコードにて確認することができたとのこと

 

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(images:iStock / artsstock)

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