コスモス、「ATOM」の最低インフレ率を0%へ引き下げる提案への投票開始

ATOMの最低インフレ率を0%に引き下げる提案が提出

コスモス(Cosmos)ネットワークの中心となるブロックチェーン「コスモスハブ(Cosmos Hub)」のガバナンスにて、同ブロックチェーンのネイティブトークン「ATOM(アトム)」の年間最低インフレ率を引き下げる提案についてのガバナンス投票が1月9日に開始された。

現在「ATOM」のインフレ率は動的インフレ率を採用しており、インフレ率が7%〜10%の間で変動可能に設定されている。今回の提案が承認された場合は、このインフレ率の最低値が7%から0%へ引き下げられることになる。

なお同ブロックチェーンでは、昨年11月に「ATOM」の年間最大インフレ率を20%から10%へ引き下げる提案が承認されている。これに付随して「ATOM」のステーキングで得られる利回りも引き下げられた。

ただし、現在の最低インフレ率として設定されている7%という値は、供給されているすべてのトークンがステーキングされている場合にも7%のインフレが維持されるということを意味するため、適切でないという意見がコミュニティから出ている。

コスモスコミュニティではこれまで「ATOM」の価格を下落させないようにしつつ、コミュニティへのインセンティブを与え参加者を増やすためにインフレ率を調整するという課題を抱えていた。

なお今回の提案に懸念を持つユーザーも存在しており、「ATOM」の現在のステーカーからステーキングの意欲をそぐ可能性があるという意見も出ている。

コスモスでは現在60%以上の「ATOM」がステーキングされているため、ステーカーの意欲をそぐことはエコシステム全体に影響を与える可能性がある。

今回のガバナンス投票は1月23日まで実施される予定だ。記事執筆現在(1/10 13:00)投票率は4.5%であり、定足数の40パーセントには達していない。また投票のうち約84%は賛成に投じられている。

コスモスエコシステムは最近大きく拡大を続けており、コスモスでのインフラストラクチャの開発・運営を支援するインターチェーン財団(ICF:Interchain Foundation)が、2,640万ドル(約37億円)を2024年の開発資金として支出することを昨年12月に発表している。

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参考:コスモスフォーラム
images:iStock/namaki

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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