BTCの寄付で市民権を得る
エルサルバドルの議会は、政府の社会・経済開発プログラムにビットコイン(BTC)を「献金」した外国人に迅速な市民権を与える移民法を承認した。
一院制議会は12月20日深夜の突然の採決で、議会を支配するナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領の新思想党の支持を得て、この改革を可決した。この法律は数日中に施行される予定である。
なおブケレ大統領は、来年2月4日に予定されている中米大統領選挙での再選を目指して立候補している。
今回の改革では、大統領の開発プロジェクトの 「重要な利権」が挙げられており、「エルサルバドルの経済的、社会的、文化的発展を支援することに関心のある善意の海外の人々」および「ビットコインを寄付することで」と強調されている。
ただし同法では「寄付」の最低条件は挙げられていない。なお12月21日のビットコインは43,741ドルで取引されていた。
この改革では、スペイン語圏以外の国の出身者であれば5年間の永住権、エルサルバドル人の配偶者がいる場合は2年間の永住権という通常の帰化手続きの要件を、資格のある者は省くことができると規定している。
エルサルバドルは2021年にビットコインを自国通貨としたが、その導入は遅々として進まず、使用も限定的だった。
デジタル通貨を推進する外国人の中には、主にビーチコミュニティ(エルサルバドルのビットコイン推進を支援している海岸地域のコミュニティ)に移住している者もいる。
資金繰りに苦しむブケレ政府は現在、同国の経済成長の鈍化が懸念されるなか、新たな融資プログラムについて国際通貨基金(IMF)と合意に達するべく努力している。
IMFは、エルサルバドルがビットコインを法定通貨として採用したことに起因するリスクについて、声高に指摘している。
ブケレ大統領は、憲法で連続任期が明確に禁止されているにもかかわらず、再選を目指して立候補している。
2021年、エルサルバドルの議会で任命されたメンバーで構成された同国の最高裁判所は、ブケレ大統領の再選立候補を認める判決を下し、米国を含む世界各国から非難を浴びた。
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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
El Salvador offers citizenship to foreign bitcoin investors By Gerardo Arbaiza
Reporting by Gerardo Arbaiza; Editing by Adriana Barrera and Leslie Adler
翻訳:髙橋知里(あたらしい経済)
images:Reuters